第5話義母の場合

 な・・何なのよ?旦那様と可愛いメロディーがブルブル震えて部屋から出ない。

 何があったのよ。


 可愛いドレスを買ってあげれば機嫌を治すから?「城下町のドレス店にいくわ。馬車を出して!」


 ☆城下町

 ポロン♪ポロン♪

「ああ、麗しい次期女伯爵のシェリー様~~今日の装いは、王都王家御用達の~最新ドレス~~絵姿はこちら~銅貨一枚でございま~~す♪」


「「キャアアアアーーーシェリー様、可愛いーーー」」


「♪おっと買っていいのは~お嬢様だけ~男はご遠慮くださ~い♪提供はイセ商会、最新の魔道写真だよ~」


「「ハハハハハ、ハンス、お前変な事に使う気だろ」」


「違うよ。すごい精巧な絵だなと思ってよ。思わず手に取っちまったよ」


 何?街雀たちが、騒いでいるわ。行ってみようかしら。


「ちょっと、何ですって?次期女伯爵はメロディーよ。シャリーは酷いイジメをする意地の悪い子なのよ。メロディーのことを唄いなさいよ!」


 夫人は吟遊詩人にくってかかるが、

 ポロン♪ポロン♪「麗しの姫君を唄うのは~~吟遊詩人の特権さ~~~♪メロディー嬢は知らないさ。知らない者は唄えない~~♪」


「キッ」


 ☆スレンダー伯爵邸廊下

 屋敷廊下には彩り鮮やかなドレスを着たシェリーがいた。メイドと一緒だ。


 メイドは頭を下げるが、「うん?見たことのないメイドね」

「辺境伯より派遣されましたミヤと申しま・・す」


「そんなこと、どうでもいいわ。シェリー、いますぐそのドレスを脱いでメロディーに渡しなさい。お姉ちゃんなんだから我慢しなさい!」


「お嬢様・・そろそろ家庭教師・・が来る時間です・・勉学室へ」

 と促す。ソソクサとシェリーは去って行った。


「キィ、なんて無礼な。クビにします。出てお行きなさい」


「ええ~と私は・・辺境伯様に・・雇われてます。ドレスは辺境伯様からシェリー様に送られた・・ものです。メロディー様に贈られたのは宝石です。ここに・・ございます。奥様ご確認下さい」


 とメイド雑嚢から取り出し箱を渡した。


「まあ、分っているじゃない」とすぐこの場で空けようとするが、


 ミヤは素早く窓を開けて、風を確認し、奇行に走る。


「お前、何故、奇妙なお面を被っているの?何故、駆け足で逃げてるの?そして、何故廊下に寝っ転がっているの?全く不躾なメイドね」


 義母はメイドの奇行に構わずに

 箱を空けたら、ボム!と煙が出てきた。



「ギャーーーー肌がただれる~溶ける助けて~~~」


「・・・・奥様、申訳ございません・・〇〇〇剤と間違えてしましました・・致死率5%なのでご安心くださ・・い。あら、100人の中で5人死ぬ・・と言えば・・ご理解頂けます・・か?」


「ギャアアアアアア」


 しばらくして、ミヤは煙が薄くなったのを確認し、換気をし。


「今日は、シェリーお嬢様が午後、女神教会の孤児院に・慰問で・・行かれる日、今日、葬式になるといけなくなる・・わね・・」


 とポケットからポーションを取り出し、かける寸前で動作を止めた。


「次期女伯爵である・・シェリー様の・・ドレスは・・令嬢教育0点の・・平民まがいには・・もったいない・・と思いませんか?これ・・メロディ様のこと・・じゃないわ・・一般論ね・・如何思われます・・か?。あら、口が・・変形して答えられないの・・ね。まあ、いい・・わ」


 床に倒れている夫人にポーションを掛けているメイドがいたという。



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