第3話義妹の場合
☆一月前スレンダー伯爵家ガーデンパーティー令嬢のお茶会会場
「フンフンフン♪キャーーーお義姉様に足を引っかけられましたわ~~~(棒読)」
突然、メロディはシェリーの前でダイブをした。
ワラワラと集まる令嬢達、
「まあ、シェリー様は天使のように優しいメロディ様に嫉妬したのね」
「あら、あら、スレンダー伯爵家の総領娘に相応しいのはどちらかしらね」
扇で口を隠しいつものように陰口をいう。
使用人まで。
「シェリーお嬢様、こういうのは如何かと思いますよ~」と言う始末
シェリーは小さくため息をついた。いつも私が何を言っても誰も聞いてくれない・・ここで反論しても無駄だ。
「皆様~やめて~私が悪いの。あたしが至らなくて~~お姉様を怒らしたから~~~」
「「「何てお優しいメロディ様」」」
乳母の娘だったシェリーの唯一の味方のメイドは「お嬢様は、そんなことなさいません」と言うが一人の声はかき消されてしまった。
その時だった。
シェリーの後方から、黒髪で青目の十代後半の小柄の女性が声を掛けた。
「まあ、メロディ様・・お怪我をなさって、お可哀想・今ポーションを出しますね。シェリーお嬢様はお加減お悪いようで・・先輩・・シェリーお嬢様をお部屋にお連れしたら・・如何かしら」
昨日からイセ辺境伯から派遣されたメイドは先輩メイドを促し、退席させる。この場にいたって、空気が悪くなるだけと二人は出て行った。新人メイドもメロディーにつくのだろうと諦めの境地。
「肌もより綺麗になる特上ポーションで・・ございます」
ポケットから小瓶を取り出しメロディの足に掛ける。
「貴方、新顔ね。気が利くじゃない。私の専属メイドは5人いるのよ。6人目にして、・・ギャアアアアアアアア熱い、熱い、足が溶けるよ~~~イタい、イタい~~~~~~」
メロディは飛び起き、まるでコブリンのような走り方で噴水に走っていこうとするが。
「熱い、熱い、水~~~~水~~~~~~~」と言うが、ガッチリ押さえられている。
「あら、申訳ございません。〇酸と間違えてしまいました・・わ。本物のポーションはここに・・あら・・足が取れてしまいましたわ・・付くかしら・・えい!」
「ギャアアアアアアアア」
「あら、反対に付きましたわね・・そこのボーイさん。ナイフを・・え・・震えててダメね・・私のを使いますわね・・・えい!」
「グギャアアアアアアアアア」
彼女はスカートの下に隠してあった短刀でメロディーの足を見事な刀筋で切断した。
そして、ポーションをかける寸前で動作を止め。
「ところで、今日は・・次期女伯爵・の・シェリー様・のお茶会よ・・ね。メロディ様のお茶会と違うわよ・・ね。皆様、どう思・・う」
クルリと見渡すが、令嬢達と使用人達は震えて何も言えない。
「ダメ・・ね。まあ、いい・・わ」
やっと、ポーションで付け直したが、「ふふ、ポーションって便利よ・・ね。これだけは・・祖国には・・無いってね・・」とご満悦。
(((何だ、この女は)))
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