第5話 街へダッシュ!(着いたらなんか絡まれたんだけど。)
無事マイクロアントクイーンを討伐した俺はナスビの説明にあった街に行くことにした。
「なあナスビ。 ここから1番近い街ってどっちら辺の方角?」
「ここから1番近い街だったら北北西の方角、10キロメートル近くあるナス。」
ここでなぜ俺が街に行きたいのか説明しておこう。
街には下級天使が神に命じられ運営する{戦人者の集い}という建物が必ず一つありそこでクエストや戦人者登録などが出来る。ここが俺の目的地だ。
戦人者とは{戦人者の集い}にあるクエストを受ける職業の人のことだ、クエストには討伐クエスト(危険な敵モブのドロップ品を集めるクエスト。)、お助けクエスト(街の問題を解決するクエスト。)、緊急時クエスト(緊急事態に陥ったときに出てくるクエスト。)、季節限定クエスト(季節限定の敵モブを倒したりするクエスト。)などがあってレパートリーが非常に豊富だ。だが、大体のクエストは討伐クエストだ。
そして、戦人者にはランクが存在する。1〜12までのランクが存在していて1が最強で12がランクの中では1番下、といったところだ。ただランクは強さのみに依存するわけではなく民衆からの人気なども影響する。ただ単に強ければいいわけではないのだ。
「おし、ナスビ。ちょっとだけ俺の体にしがみついといてね。」
「??? まあとりあえず分かったナス。」
俺はナスビが俺の服にしっかりとしがみついているのを確認するとクラウチングスタートの構えになった。
「アノ〜 淳さん?」
ナスビがもはや語尾もつけずに俺に「嫌な予感がするんですけども」と遠回しに言ってきた。ナスビ、アタリだよ。
「淳さん?」
「位置についてぇ。」
「淳さん?」
「よ〜い。」
「淳さん?」
「ドン!」
「淳さああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…………………」
俺はナスビが言っていた方向に全力疾走した。しかしすぐに腹が減るので走りながら雑草をむしり喰って、時にはモブを頬張る。ただの雑草でも栄養分が1兆倍になるのでかなりの栄養が摂取できる。そこら辺の草がもう超高級なサプリメントだ。
「ハハハハハハハハハ! ナスビよ。10キロメートルを全力疾走で走るのは俺の筋肉にとって10京キロメートルを全力疾走ていることになる。つまり地球を24953212周だ。おかしいな! ハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」
一歩進むごとに速度がドンドン増えていくので街に着いた時の速度はダッシュした時の速度の二十倍くらいの速度になっていた。元々100メートルを8秒で駆け抜ける速度を持っていたのだけど、今では0.4秒で駆け抜けれるようになった。なんか以前よりも筋肉がつきやすい気がする。これが超人の恩恵なのかな?素晴らしい。
俺が超人属になったと改めて思い知らされた。すると、
「ハアッ!」
剣が目の前から俺に向かって来た。
「ムン!」
俺は瞬時に筋肉を固めてガードをする。筋肉と剣はぶつかり合い文字通り火花を散らした。いや筋肉は石なのかよ。
「セイッ!」
俺は剣の柄の部分と先端を掴み、思いっきり膝蹴りをお見舞いした。膝蹴りが直撃した剣はパキッと折れた。剣ってこんなに壊れやすい物だったんだ。
「あ〜あ〜あ〜あ〜。オイオイ、俺様の剣が折れちまってるじゃねえかよ。アア?」
「いや、正当防衛でしょ。」
パキッと折れた剣をボーッと見ていると物陰からガラの悪い男が出てきた。
「どーー お・と・し・ま・えつけてくれるのかなあ? ああー高かったんだよお? その剣。 なのにずいぶん遠慮なくパキッと折ってるじゃねえか? ふざけてんのか? あああああああん?」
なんだろう、今絶賛、当たり屋されているけど全然怖く感じない。コイツは当たり屋でガミガミいう時に威圧感を出すために靴底がかなり高いシークレットブーツみたいなものを履いてさらに背伸びをしているが、俺の身長の足元に及ばない。(比喩表現です。)
コイツの身長+ブーツ+背伸びが大体2mちょいあるが俺の身長は筋肉の異常発達と共に骨も必然的に頑強になり3mを超えている。なんでコイツは俺に当たり屋よしようと思ったんだ?バカなのか?
「オオオオオオイ。 なにシカトこいてんだよ。 ビビってんのかぁ? ま、当然だよな。 この最強の冒険者さん。セーカク・オワトルの名前を聞いてビビらねえやつの方が珍しいぜ。」
「おい。」
「アアン?」
「今からお前を署に叩き送ってやるよ。」
俺はセーカク・オワトルに開戦宣言をした。ちなみにこれを聞いたオワトルは腹を抱えて笑っている。まあ特に思うことはないけど。
「wwwwwwwww大丈夫?雑魚くん?あんまりイキっちゃダメだよ?(^^)wwwwwwwww!」
「せいぜいほざいとけ。」
「ッ! うぜえぞテメエ。」
オワトルは懐から短剣を2本取り出し構えをとった。俺も一応構えをとる。
「プッ! オメエ武器使わねえとか舐めプだね。 負けちゃったら恥ずかしいよ。」
「オメエが負けたらもっとも、テメエに一生の恥がつきまとうけどな。『オワトル、一般人に舐めプされた挙句、負けちゃった。』ってな。」
「ウルセエエエエエエエエ!」
オワトルは短剣を振り回して俺に向かってきた。腐っても冒険者。普通の一般人よりかはつええな。コイツのようなタイプは一度負けても懲りずに何回もやるタイプだからな。ちっとこらしめるか。
「オイオイ、何にも構えをとらねえとかバカなのかな?エエ?」
まず俺はなんの防御の姿勢も取らずにコイツの短剣を受け止めて攻撃の意味がない事をわからせる。
「じゃあな、バカヤロー(^ ^)。 ってオイオイオイオイ!? え!?」
首筋目掛けて振るった短剣は首の頑強な筋肉によって弾かれる。
「どうした? 俺を殺すんじゃなかったのか?」
「黙っとけ! ウルアアアアアアアアア!」
オワトルは首への攻撃が効かない事を悟ると重要な内臓などがある腹部へ攻撃しようとしてきた。 バカな奴め。
「ハハハハ! 内臓ぶちまけてくたばれ! ってオイ! ぬ、抜けねえ。」
腹部へ真っ直ぐに突っ込んだ短剣は腹筋の間に入った。俺は腹部に力を込め短剣を抜けないようにする。 そして、
「オイ、歯ぁ食いしばっとけ。」
「ヒ、ヒィ!」
俺は思いっきりオワトルに腹パンをした。オワトルの腹は思いのほか柔らかくて8mくらいぶっ飛んだ。結構力セーブしたんだけどなあ。
こうしてオワトルをズルズルと引きずって俺は街の中へ入った。
ーーーーーーーーーー
「一体、何者なんだアイツは?」
この喧嘩を高台から見下ろす少女はひどく驚いていた。
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