アートって何だろう?
〇月▽日
「芸術療法」というものに携わってから、「芸術」、「アート」という言葉が気にになるようになった。事あるごとに耳にする言葉で、歌番組に出てくるシンガーのことも「アーティスト」という呼称を使う。
絵画や音楽の分野で才能があるというと、お金もなるし、尊敬を受ける。
専門の大学もある。実学ではないし、有名になるのが難しい分野みたいだが、盛況みたいだ。ひとつの、人間性を構成する一種抽象的な、ユニークな特質、何の役にも立たないようで、その才能に恵まれていることは一種の神の恩寵、ギフト、そうした扱いを受ける、芸術はそうした不思議な「何か」だ。
要するに人間にはやはり、この世のものならぬ、天上的な高邁な精神性への憧れがあって、人間性の中の最も高貴というか崇高な部分の発露が芸術として表現される…くだらないような日常とか退屈な些末事を遥かに凌駕している超越的な次元にあって、しかしそれこそが人間の本領で、もっとも人間らしい部分という、一種逆説的な構造をなしている「精神の精髄」。
表現しにくいが、たぶん芸術とはそういう特殊なもので、文化や社会の中で最も尊いものなのかと思う。
ルネサンスという芸術運動があって、「文芸復興」と翻訳されるが、中世の暗黒時代があって、長い冬の時代の後に春の雪解けが訪れたというような、百花繚乱というような華やかなイメージがある。フィレンツェも「花の都」と言われるらしい。
ダビンチやミケランジェロ、ラファレロとかの絵画には確かに人間というものの素晴らしさ、躍動美、生きる喜びが息づいてる。
具体的にいろいろな芸術、名作というものに触れて、なぜ傑作とされているのか?つまり芸術を芸術とたらしめる謎とは何か?そういうものを感覚的に会得したいものだ。小説が表現等洗練されて、内容的に深く豊穣になれはそこから生まれるセラピーの効果もグレードアップするのではないか?かなり烏滸がましいが、小説の形式がだんだんにアドバンスしていって、ついには神経症の治癒に至った、夏目漱石とかの顰に倣う、そういうところを目標にしようかと思う。
<続く>
夢を叶える 夢美瑠瑠 @joeyasushi
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