第二一話

 ロインはネオ・フォークロアキャッスルを訪れた。


 四天王の一人であるムエンがネオ・フォークロアキャッスルを管理しているが、普段は支部長が管理する。


 セヤが動かしていたガーディアン一号を動かせるものがついに現れなかったので、ロインが直々に燃やして慰霊するのである。


 魔石によって命を吹き込まれた人形はもはや命ある動物と一緒である。


 ロインは緑の魔石をいくつもとってそれからガーディアン一号を燃やす。


 「風になれ、風の中で踊れ」


 ロインは葉を吸い、陶酔状態になって踊る。


 周りのベルダーシュも葉を吸って踊る。音楽が増え、最後は壮大なフィナーレとなる。


 踊り終えるともう日が暮れていた。夕食はロインもネオ・フォークロアキャッスルの食堂で食べ、みんなと懇談する。


 翌日、ロインは戦友のカズヤの墓に行き祈りを捧げ、花も捧げる。


 そして本来やるべきことを告げた。


 「これから模擬戦を始める」


 守備がムエン、攻撃がロインである。傷つける魔法を使うことを一切禁止とした模擬戦である。


 ロインの腕のバンダナを切ったほうがムエンの勝ちである。


 逆にロインは玉座にたどり着けば勝ち。


 ロインは赤い色のバンダナを縛った。


 模擬戦がスタートすると周りが一斉にとびかかる。しかしロインはバリアで攻撃を跳ね返す。


 ロインが城に侵入するとベルダーシュ達は一斉に眠りの魔法を唱えた。


 ただの眠りの魔法ではない。強力な眠りである。しかしこの術もロインはバリアで攻撃を跳ね返す。

 

 ロインが城に埋め込まれた魔石を壊す。


 もうセヤが居ないので幻惑の術は使えないが念のためにロインは魔石を壊した。周りがどんどんとびかかるもバリアで跳ね返される。


 ロインは二階に上がった。ここは宿舎フロアである。支部長や副城主が眠りの魔法を唱えたり時空停止の魔法を唱えるがほとんど効かない。逆にロインは解除呪文を唱える。生贄の部屋を無視して階段を上る。


 そしてロインは三階の玉座にまで来た。


 「俺の勝ちだ!!」


 ネオ・フォークロアキャッスル城のベルダージュ達は落胆する。


 (セヤ様が居ないとダメなのか)


 (さすがロイン様だ。もはや無双だ)


 「そんなことない」


 「え?」


 「眠りの呪文や暗闇の呪文を強化せよ」


 「「はい」」


 「ロイン様、この度は本当にご指導ありがとうございます」


 「なに。ところでここには墓地はあるのか?」


 「いえありません」


 「じゃあまずそれを作ろう」


 「次に遊技場と遊具加工室も地下に作ろう」


 「遊具をもっと作るのだ」


 「本拠地から人を派遣しよう」


 「ロイン様、ありがとうございます」


 「最後に屋上の祭壇を見せてくれ」


 「はい、こちらになります」


 本拠地同様謁見室の階段から屋上に出る。やや小さいがちゃんと祭壇がある。


 「ちゃんと生贄を捧げろよ」


 「了解しました」


 「じゃ、俺は本拠地に戻るから」


 そういうとロインは闇の渦を生じさせて消えた。


 「ありがとうございます……」


 「おい、おまえら仕事が増えたぞ。増築工事始めるぞ」


 「「はいっ!」」

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