家康という名前

ぴーふろ

第1話

彼の名前は徳田家康。

歴史上の家康とは一文字違い。

だけど彼は決して名前負けしない人物だった。


成績優秀、眉目秀麗、スポーツ万能。

所属しているサッカー部は特待で入っている。


そんな彼は部活の朝練で疲れているのか一限にもかかわらず机の上に突っ伏して寝ていた。


僕の隣の女子たちは寝ている姿もカッコいいよねなんて言っている。


ふざけるな。真面目に受けていない奴がかっこいいわけあるか。と内心思いながらも声には出さず、僕は授業を受けていた。










ビィッ!!!







まだ朝の風の匂いが残る教室に何かを捻り出したような音が響き渡った。

そしてその風はすぐに何かの匂いを運ぶ毒ガスへと姿を変えた。




漏らしたのだ。明らかに身が出た音と匂いがした。

だが確信がない。誰かが漏らした確信はあるが、その音と匂いがあり得ない人物からやってきたからだ。


だが皆同じ方向を向いている。やはり彼しかいなかった。彼はガタッと大きな音を立てて立ち上がり、

大きな手を指の先まで伸ばし、一限の教師にトイレに行く許可をもらっていた。


その彼こそ

かの有名な偉人と一文字違いの男


徳田家康だった。

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