5 蒼の変化3

 蒼が入院して2週間ほど経ったある日、蒼からPineで連絡が来た。


 何故か通話じゃなくテキストメッセージだった。

 手術が成功した事は蒼のお母さんからの連絡で既に承知済みだった。


『よう、久しぶり~っ』


『蒼!大丈夫なのかよ!?』

 本人からの連絡に思わずテキストなのに熱が入ってしまう。


『うん、まぁ大丈夫っちゃ大丈夫かな…変わっちゃった事もあるけど』

 手術で臓器を失ったのかと勝手に解釈した俺は心底心配した。


『まじかよ…生きてく分には問題ないのか?』


『それは大丈夫。学校にも来週中には戻れると思うから』

 意外と軽症だったのか…?


『見舞いにいってもいいか?』


『ダメ!絶対にダメ!!!!』

 光の速さで返信がきて少しへこんだ。


『なんでだよ…』


『さっき言ったじゃん…色々変わったって』


『別にお前がハゲたって俺は気にしねーぞ』


『ハ ゲ て ね ー し !!!!!!!!』

 また光の速さで返信が来た。ちょっと笑った。


『笑った。そんなに怒ってんならガチなんだな…悪いこれ以上はやめとくわ』


『こいつ…💢まぁ変に空気が重くなるよりよっぽど良いよ。とりあえず僕は元気だから学園に戻るまで待っててよ』

 いつもの蒼のノリだ。メンタルの方は問題ないみたいで俺も安心できた。


『わかった。まぁ…お大事にな。無理すんなよ』


『うん。Focusもカジュアルばっかやってないでソロでもいいからたまにはランクしなきゃダメだよ?エイム鈍るぞ~~♪』


『はいはい』


 世話焼き女房に言われている気分としか例えようがなかった。

 その日から俺は今までの熱が戻り、ゲームの練習にも身が入るようになった。

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