巻物と幼女とパパ?
「で、ギルドマスターが辞められないのは置いとくとしてこれなんですか?」
エマさんの指指す先には3本ほど巻物が落ちてきた。
明らかに冒険者には必要がなさそうなそれを僕は丁寧に破れないようそっと持ち上げる。
「これがセストリア王からの褒美の品ですよ」
「巻物がですか……?」
エマさんが知らないのも無理はない。
巻物は基本的には古代の文献が書いてあるだけの産物で、ごく稀にダンジョンの探索で発見される。
そして古代の文献に過ぎない巻物だが、時々とんでもない力を秘めているものが存在する。
それこそが
それ故に
それ故に偽物も多く、闇市で買うときには注意が必要な代物だ。
「この巻物は
「そういえば最近王都付近にできたダンジョンから大量に
ティナがいうなら間違い無いだろう。
恐らくこれはそのダンジョンから出てきた大量の
「それでギルマスこれ開くんですかい?」
ラカンの疑問はもっともだ。
つまり不用意に部屋の中で開け、爆発の魔法なんかを授けられると部屋ごと炭になる可能性すらある。
「ラカンの指摘はもっともだとは思う。だけど僕は我慢できない」
「ギルマス子供みたいなこと言ってないでダンジョンかその辺の裏路地で開けてくだせぇよ」
僕的にはダンジョンなんかよりSランク冒険者3人が揃ってるここで開けるのが1番安全だと思うんだけど。
僕を見るエマさんの視線が痛いから外で開けるけどさ……。
「大丈夫。ギルマスなら無事戻って来れると信じてる」
「ティナ、僕が今から死ぬみたいな言い方するのやめてくれない?」
こうしてギルドメンバーからギルドを追い出された僕は珍しく1人でEランクダンジョンへと向かった。
◆◆◆
「よし、ここなら誰も来ないしいいだろ」
周りのスライムを片付け、そーっと
別に多少破けたところで支障はないだろうけど、セストリア王が褒美として渡すぐらいなんだ。
きっと僕でも強くなれる何かが秘められているに違いない。
僕は
一見するとただの古文書だ。
だが徐々に
「おー!?」
力が一時的にみなぎった。
今なら何でも倒せる気さえしてくる。
僕を包む光が徐々に消えていく。
光が消えた先には力を失って黒く炭のようになった
「ぱぱ?」
「――はい?」
状況を理解できない僕は素っ頓狂な声を上げるしかなかった。
————
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