第18話 将来
鈴原は救いようが.....有ると思った。
だがその願いは叶わない。
何が起こったか。
それは.....簡単だった。
鈴原が付き合っている奴らの反対側の奴らにいきなり襲われたのだ。
そして瀕死の重傷を負った。
何が起こったのか全く分からなかったが。
号泣しながら鈴原の妹の優樹菜さんが俺達の家に来てから。
そのまま知らせてくれたのだが。
俺は眉を顰めながら、そうか、とだけ返事をした。
鈴原のSNSを確認すると。
そこには.....不良とまた連む姿が映っていた。
結局.....人は変わらなかった、という事だろう。
俺は残念に思いながら複雑な顔をする。
そして溜息を吐く。
それから.....夢を見る。
「渚さん。諦めよう。もう変わらないよ。奴は」
「.....そうだな。これで少しは学校側の何かが変われば良いが」
「お姉ちゃんの為にやってくれたんですよね。.....お二人共に」
「そうだな。だけど残念な結果になった。これは本当に」
「.....そうですね」
そこで私達ですが考えたんです、と言ってくる優樹菜さん。
俺は?を浮かべて優樹菜さんを見る。
それから優樹菜さんは、私達引っ越してこの場所から離れようって、と。
俺は!と思いながらその姿を見る。
「もうこれ以上は迷惑も掛けられない。家族も泣いていますから」
「.....そうか。そうなったら俺達は止めたりしないが。大丈夫か」
「そうですね。引っ越すのは大変ですが.....でも大丈夫です」
「.....残念っていうか。多少は変わって欲しかったかも」
「.....そんなもんだ。人間ってのは」
そんな会話をしながら居ると優樹菜さんは立ち上がった。
そして、そろそろ帰ります、と笑顔を浮かべる。
それから玄関ドアを開けると。
そこに、おや?、という感じで目黒先生が立っていた。
「君は.....鈴原の妹さんか」
「.....はい。えっと.....」
「私は担任の目黒だ。宜しく」
「あ.....そうなのですね」
「.....こんな事になって残念だ。.....お見舞いもするからな」
「はい。.....有難う御座います」
それから俺達を見ながら手を振る優樹菜さん。
そして俺は目黒先生を見た。
目黒先生は訝しげな感じでその姿を見てから顔を上げる。
そうしてから、やあ。改めて、と言ってくる。
「.....どうしたんですか?」
「いや。君と話がしたくてね。そして.....初めまして。夢さん」
「.....担任の先生?」
「そうだな。はちゃめちゃだが」
「失礼だな」
それから俺と夢に手招きしながら、今日もドライブをしないか、と言ってくる。
俺と夢は顔を見合わせてからそのまま頷く。
そうしてからそのまま家の中に入って準備をしてから外に出る。
そして目黒先生の車に乗り込んだ。
「時にポッ○ーなどは食べるかね」
「.....はい」
「有難う御座います」
「.....良いんだ」
そして車は発進した。
すると直ぐに、鈴原は転校する事になった、と言ってくる。
その言葉に、ですか、と答える俺。
そうしていると、だがだからと言え根っこが排除されても全てが直る訳ではないのでね。だからもう暫く様子見だ、と言ってくる目黒先生。
「.....君達は今は仲が良さげだな」
「はい」
「はい.....」
「君は好きなのか?夢さんが」
「ぶはっ!?」
チョコを吹き出した。
そうして俺は、ちょっと待って下さい!、と静止する俺。
うはっは、と言う目黒先生。
そして、まあ良いではないか、と満面の意地悪い笑顔。
俺は盛大に溜息を吐いた。
「.....夢さん」
「は、はい!」
「.....最上は好きか」
「.....はい。大好きです」
「何を言わせてんだ!!!!!」
「ハハハ!!!!!」
まあそう言う感情は大切にするべきだからな、と言う目黒先生。
それから、私は失敗ばかりの人生だ。だから君に生き写しなどはしたく無いがやってしまう。君だからこそ、と話してくる。
俺は少しだけ複雑な顔になる。
「私は渚さんを愛しています」
「.....そうか。それは良い感じだ。.....時に君には二股疑惑があるんだが」
「俺はまだ付き合って無いですって.....」
「君は山部にも好かれているんだろう?」
「いや。だから.....」
良いな。そういう恋愛も、と言ってくる目黒先生。
それから、私は勉強よりも恋バナが好きなんだ、と笑顔で言ってくる。
教師が言う言葉じゃないし学校の規則に反している!!!!!
思いながら額に手を添える。
「アハハ。面白いですね。目黒先生」
「そうか?それは歓迎だな」
「.....いや。これは先生じゃないよ。夢」
「アハハ」
そんな感じで会話をしてると。
右に曲がった。
この先は海だった筈だ。
どうする気なのだろうか、と思っていると。
「海に行くぞ」
「.....そこで話がしたい、ですか?」
「そうだな。.....私は君と将来の話がしたい」
「.....夢は何の為に?」
「家族だからな。.....私には家族が居ない」
「.....?」
みんな病気で死んだり捨てたりした。
と語った目黒先生。
俺は!と思いながら目黒先生を見る。
そしてとんでもない事を言った。
「.....夢さん。私は君の母親の担任でもあった。1年だけだが」
「.....え.....」
「その為もあって話がしたい。学校は別だったけどね」
「.....嘘だろ.....目黒先生はマジに何歳.....」
思いっきり首を絞められた。
殺人未遂だ!!!!!
思いながらそのまま車は防波堤辺りの駐車場に停まってからそのまま俺達はゆっくりと車から降りた。
カモメが飛んでいる曇り空だが.....。
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