君に

第9話 絶望の世界に花咲く光

「しかし.....1週間か」


俺は思いながら窓から空を見上げる。

そこには相変わらずな感じで雲が流れている。

変わらず.....俺を見守っている様な。

あれが親父だとしたら.....。


「その間は勉強するしかないよな。親父」


思いながら俺はベッドから起き上がってから。

固く決意してからそのまま勉強を始める。

今現在の時刻は12時だ。

暇というか.....まだこの時刻か、って感じだな。


「.....」


そして勉強をしていると。

インターフォンが鳴る。

俺は?を浮かべて、宅配か?、と思うが。

何も注文してないぞ一体何だ、と思いながら俺はインターフォンを見ると。

そこに担任の目黒流星(めぐろりゅうせい)が立っていた。

女性の30代ぐらいの担任。


「はい」


『おー。調子はどうだ。最上』


そんな感じの腰まである様な長い髪の毛をした担任である。

美女と言えるとは思うが。

怒らせると相当に怖いが.....。

思いながら俺は、どうしたんですか。出ます、と言う。


そして玄関から外に出ると。

そこに目黒先生が立っていた。

いや。何。ドライブでもしないか、と言ってくる。

俺は???と思いながら、いきなりっすね、と言う。


「私は何時でも思い付きさ。.....どうかな?」


「いや。良いっすけど.....」


「山部の事も話したいから。有難う」


「.....え?.....アイツがどうかしたんですか?」


「詳しくは乗ってから話そう。じゃあ準備を待っているから」


相変わらずの性格だと思う。

こんな気軽で.....そして相談に乗ってくれる姿勢は、だ。

俺は思いながらそのまま準備を始めてから。

そのまま目黒先生の運転する車に乗った。

玄関に鍵を掛けてから、だ。


「.....しかし授業とかは.....」


「まあ1時間ぐらいで戻れば良いのさ」


それで良いのか?、と俺は苦笑い。

それから、いや。先生が良いのなら良いですけど、と俺は黙る。

すると車が動き出してから。

目黒先生は言ってきた。


「実はな。山部と戸松がイジメを受けていてな。お前に関連している」


「.....そうなんですね.....」


「.....君は何か発端を知っているかな」


「不純異性交遊のせいですね」


「そうか。それでどっちかが浮気したとか?」


「.....全ては鈴原のせいです」


そう言いながら俺はキッと前を睨む。

すると目黒先生は、そうか、と言いながら悲しげな顔をする。

そして、クラスメイトのせいだったかこうなったのは、とも言う。

俺は、そうですね、と返事をする。


「私は正直.....そんなにクラスに関わらない主義だ。何故なら生徒の自由を重んじているからな。.....だけど今は話が別だな。これ以上の脅威があるなら何か対応を取らなくてはならない」


「ですね」


「君が学校に来れなくなったのも私のせいだな」


「.....先生のせいじゃないですよ。鈴原が俺を嵌めたから」


だがそれを纏め切らなかったのは私の責任だ。

だから私のせいでもある。

今は君が学校に来るのが出来る様に配慮したい。

と言いながら目黒先生は缶コーヒーを差し出してくる。


「.....有難う御座います。.....具体的には」


「具体案としては全てを排除する」


「.....めっちゃ実直ですね。.....それはアカンです」


「まあそれは冗談だ。だけど排除はいかなくても悪い空気は排除しないとな。じゃなければこの状況は絶対に良くない」


「そうっすね」


頂いた缶コーヒーを見ながら。

そして開けながら俺は盛大にため息を吐く。

それから顎に手を添える。

アイツまでイジメを受けているとは、と少しだけ思いながら。

すると車はこの街の中央交差点に出た。


「それはそうと何処に行くんですか?」


「うん?それはまあ水族館」


「.....マジすか?」


「マジだ。こういう時には心を和ませないとな」


「そうですけど.....時間は」


「大丈夫だ。申請に対しては嘘を吐けばな」


嘘って先生。

滅茶苦茶だな。

思いながら俺は苦笑する。


相変わらずの思いを抱きながら目黒先生を見る。

目黒先生は赤信号で俺を見てきた。

こういう担任は嫌いか?、と。


「いえ。全然嫌いじゃないです」


「.....そうか。.....それは良かった。お前にとって良い担任じゃないと良くないからな」


「何でそんなに俺に拘るんですか」


「何ってそりゃクラスの一員であり。そして.....お前は私の元教え子の息子だからな。それも色々と関係すると思う」


「.....へ?」


素っ頓狂な声が出た。

え?教え子の.....ってまさか!?

俺は思いながら目黒先生を見てみる。

目黒先生は笑みを浮かべて、何だ?何か言いたそうだな、とニヤニヤした。

俺は、マジすか、と思いながら目黒先生を見る。


「.....何だ?年齢の事か?殺すぞ」


「何も言ってないです」


「ふーむ?本当か?怪しいなぁ」


「.....」


いや一瞬だけ、アンタ何歳だ、と思ってしまったけど!

思いながら俺は苦笑いを浮かべた。

それから目の前を見ると。

水族館に辿り着いた。

俺は、マジに来たんだな、と思いながらその光景を見る。

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