第13話 これから

 バルク酋長の息子なの?酋長若くないかと思い二人を見比べてしまう

「ハッハッハ、そうかそうさね」

 俺の行動を見て酋長は何か納得したらしい

「バルクよ、私の隣に座りなさい」

 返事をしてバルクが隣に座ると、酋長はかなり小さく肌の色が若干濃く見える

「さてヒロシよ、ワシとバルクを見た時ワシが母に見えなかったんだろう」

 的を得た問いに思わず相槌を打つと

「ワシら馬人族と只人族とでは寿命が違ってねぇ、ワシは数えで二十二歳バルクは末の子だが数えで七歳……、寿命は大体二十年という所だが走れなくなったら死ぬのが運命でねぇ」

 どこか遠い目をして語るが、年は俺と同じでバルクが七歳だという事に驚く

「只人族は確かワシらの倍くらい生きると聞くから四十位かねぇ」

 昔の戦国時代で人生五十年という位だからおそらくそのくらいなのだろう、馬もサラブレットが三十年生きれば長生きと思えばと考えていると、

「何か考え事をしている様だけど、話を進めようかねぇ」

 少し自分の世界に入ってしまっていたらしい

「すいません、それで折り紙付きの話ですよね」

 右の耳を触りながら答える

「そうだ、ヒロシ殿とバルクにも拘わる事だが、マリは居なくていいのかい」

 そう言ってバルクに抱き着こうとするが寄りかかるのが精いっぱいという格好になっている

「母上、マリは子供に乳をやっているので後で話を聞くそうです」

 どうやらバルクとマリは番で今回子供を授かってここに居るという事は

「そうかい、まぁ折り紙付きと言えど難しい内容では無いからねぇ」

 姿勢を正して向き直し腕を組んでくれるので目のやり場に困らない

「それで、折り紙付きというのはそのままの意味でコウノトリが運んで来た時に紙が付いてくるのさ……、そしてそこに性別と目標が書いてあるのさ」

 

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