第12話
「これも良い機会なので皆も良く聞くように」
少し声を張り上げて話していることや洞窟内部という事もあって良く響く、
「我々馬人族にはこの度コウノトリが舞い降りた、それぞれの番に子を授かった者もおるだろう」
周りから答えが返ってくる
「そして、馬人族に名前を付ける法則がある」
今度はマチマチな反応が返ってくる
「もちろん、只人族にもあるぞ」
少しトーンを下げて教えてくれる
「女にはマから始まる名前を、男にはバから始まる名前を付ける事になっている」
今度はどよめきが起きる、確かに自分と同じような体であれば性別の区別つかない。
「ちなみに人間族の男はヒで始まるそ」
再びトーンを下げてくれる
「そこで、男女の見分け方だが耳を見てくれ……、右にあれば男左にあれば女……、そして何も無い者は折り紙付きだ」
折り紙付きと聞いて自分の耳を触ると……無い、目の前のマサツグも左にあり確かバルクやマリにもあった気がする、俺の視線に気づいたマサツグは頷くと
「折り紙付きは滅多に居ないがそこに書かれている内容に従ってくれ、内容を教える教えないは番に任せる以上」
そう言い切ると周りが賑やかに話始める
「どうだ、少しは何か思い出せそうか?」
酋長がこちらを覗き込むように上体を傾けると、胸でお膳がひっくり返ってしまいややバツの悪そうな顔をして体を引っ込めて膳を拾い始めた、幸いすべて食べ終わっていたらしい。
回収し終わった頃を見計らって、
「やはり、思い出せそうに無いですが名前が無いのは不便だと思うのでヒロシと名乗ろうと思います」
と答えると柔和な笑みをうかべ
「そうか、ではヒロシ殿折り紙付きについて詳しく話をしようか、お前も聞いておくんだぞ」
そう言い放った先を見ると
「はい、母上」
バルクが居た。
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