第11話

「兄さんすまなーい」

 バルクが家に帰ってきたが


「おぉ……うふぅ」

 お腹が空き過ぎて仰向けに倒れたヒロシが倒れていた

「とりあえず酋長の家まで行けば食べる物もあるので少し我慢してください」

 と言うと、虫の息になったヒロシを抱えて走り出す、気持ち悪くなるぐらい揺れたが吐くものも無く連れて行かれた。


 洞窟のような場所の前で延々と続くような感覚がおわる、

「酋長、ただいま戻りました」

 バルクが威勢よく声を出して中に入っていくが、ヒロシはぐったりしていた

「お兄さん大丈夫ですか?」

 洞窟の奥からする食べ物の匂いもあって虫の鳴くような声より大きいお腹の虫が返事をしてしまう、

「これは重症だねぇ、まずは食事にした方が良さそうだぁね」

 壮年と思われる女性の声が聞こえたと思うとバルクに降ろされ顔をうつらうつらと上げ様とすると、何かものすごい圧力を感じた。


「どうした?、食わんのかね?」

 食えて言われても、食事は空きっ腹にも優しい茶色いおかゆの様な物、汁物と海藻であるが、目の前にいるのは妖艶な場人族で刺すような目線を向けられて目が離せない、

「いただきます……、ですがその前にあいさつをしたかったのですが……」

愛想笑いを浮かべて周りをみると所々暗くてよく見えないが他にもかなり居る様だ。

「なかなか礼儀正しいのだな……、そうか何も覚えていないのであったな」

と妖艶な場人族が話し出すと

「ワシが東夏尾甲酋長マサツグである」

 そういって自慢げに胸を張り上着の前がやぶけて乳房があらわになる、片方だけでも頭二つ分はあろうかという位おおきい、陰茎無くて良かった粗相をしてしまっていただろう。

「おぉ、この服も持たなんだか……しかたあるまい」

 さほど気にもせずにこちらを見ると

「只人族の男よ、食べながらでも良いから聞くと良い」

そう言って酋長は語り始めた


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