第3話
「やっぱ、ラブホテルだよなー」
うっかりつぶやくとどうやって行こうか辺りを見渡すと、ホテルをややすり鉢状に崖部分をコンクリートで補強されていて、降りようと思えば突起が所々あり少し危ないが行けなくもない、外側を回っていくのは道の様なものが見えなく気味が悪い。
ため息とともに課長への悪態をつき、カバンをリュックに換装してしぶしぶ降りることにした、河川敷の傾斜に比べれば大したこともなく突起もあるので楽ではあるが、ラブホビル五階建て、屋上見えてるそんな崖という事は、傾斜も考えて三十メートル前後ではなかろうか。(危ないので絶対にマネしないでください)
やっとの事で降り立つと革靴は擦り切れ、スーツも正面部分はスレてしまっている。仮に仕事に戻るにしてもすべて新調する必要があるので返って諦めがついた。
近寄って新ためてみると思った以上に大きく、会社のビルと比べて違和感がある程度なのだが、疲れていた上に満身創痍で服もボロボロだったため、気のせいではないかと思い込み入り口に周った。
最短経路で入ったのでホテルの名前は見えなかったが、ここはラブホテルで間違いないだろう、入口なのにカウンターがないロビーの様なものもない、ロッカーの様なものが左右に並んでいて正面にエレベーターが二つある。
これはあれだ、ロッカーに表記されてる金額を入れると扉が開いて中にあるカギを持って行って使えという事なのだろう。でもこれ一律二千円は安くないか?休憩とか泊とか関係ないのかと少し怪しんでみるものの、半ばどうにでもなれという感じである、空いている部屋は……。
二〇四号室が近いような気がした、一で始まる部屋がなく二と五で始まる部屋ばかりという事はそう言う事だろう、早々にお金を入れてエレベーターに乗り込んだ。
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