依頼を受けた。


 スキルの効果が解けて、檻とピンが消えていく。

 そしてそこには、粉々に砕けた木箱とバカみたいな顔で横たわる二人が残っていた。


「ふぅ…。」

「ユウヒ!」

「…テイル?ミールさんにガンテさんも。どうしたんですか。」

 上から聞き覚えのある声がしたため、見上げるとニ階の窓から三人が覗いていた。


「いや終わったみたいだったからな、声を掛けたんだ。俺たちさっきの部屋からずっと見ていたんだよ。あぁ、もちろんいつでも手助けする用意は出来ていたぞ?だが、スキルも発動したみたいだし。問題はないかと思ってな。」

「そうなんだ…!」

 なんと俺たちがいたのはさっきいた部屋の真下だったようで、丁度窓から見えてたらしい。

 そうこうしていると、三人は窓から飛び降りてくる。


「よ…っと、大丈夫だったか?」

「大丈夫!」

「そうか、なら良い。ユウヒ一人で倒せたみたいで良かったよ。」

「まぁ、スキルが使えたから。」

「ユウヒ!」

「んぇ?……ぅお!!っと、どうしたのガンテさん。」

 テイルと話しているとガンテさんが走り寄って来て、俺の肩を掴んだ。何か目がキラキラしてる気がする。

 ミールさんはいつの間にか、気絶した二人を連れてどこかへ行ったみたいだ。


「お前!なんだ、今のスキル!すげぇじゃねぇか!!」

「あぁ、ハハッ…!」

「よかったら、お前も区兵に…!」

「ガンテ、ユウヒは冒険者になりに来たんだ。それと、ミールに任せてないであの二人を早く処罰してこい。」

「はぁ…、分かってるよ。じゃあな、ユウヒ。さっきの話考えといてくれ。」

「あ、はぁ…。」

 俺がそう言うと、ガンテさんはすぐに走り去っていった。

 

「ユウヒ。」

「ん?」

「やはり、スキルの力を使ってる間は気性が荒く見えた。それに雰囲気も今とは違い刺々しい。」

「あー、まぁ…。」

「あまり使わない方がいい。…と言いたいが、そういうわけにもいかないんだろ?」

「ぅん、まぁ…ね。」

「…何かあったらまた教えろよ。いつでも相談に乗るからな。」

「うん、ありがと。じゃあ依頼選びの続き行ってくるわ。」

「おう、頑張れ!」




 ーーーーーーーーーーーーーー



「あの、これお願いします。」

「承りました。…三枚ありますが大丈夫ですか?」

「はい。大丈夫、です。」

「………はい、これで受注完了となります。期限に遅れないようにして下さい。」

「はい!」


 俺が受けたのはこの三つ。


夢見樹ゆめみじゅ》の採取。


 民家五軒の修理。


 ブルズビーの巣の駆除。



「さて、行くか。」


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