絡まれた。


 依頼は主に三種類に分かれます。


 討伐:魔物や動物等の討伐。


 採取:薬草や魔草等の採取。


 その他:救援、雑用、修理等のハッキリとは区分されないもの。


 これらのクエストは入り口横の掲示板に貼っており、受付に持ってきていただくことにより受注という形になります。

 失敗した場合はペナルティや契約料の徴収等が課され、貯まっていくと資格の剥奪や無期限停止などになります。


 冒険者はこれらの様々な依頼をこなすことにより、貢献度を上げていくことになります。

 そして、貢献度が一定量に達すると冒険者のランクが上がります。


 上からS,A,B,C,D,E,Fとなっており、ユウヒさんはFランクからスタートとなります。

 さらに詳しく知りたい場合は、受付横のパンフレットをお読みいただくと幸いです。


「説明は以上です。何かご質問やご不明な点はありますか?」

「大丈夫です。分かりやすかったんで…。」

「ありがとうございます。それでは、ユウヒさんのこれからのご活躍に期待しております。…それと、先程はうちのものが大変失礼いたしました。」

 さっきの受付嬢とは違う人。サリィさんがギルドの説明をしてくれた。

 終始無表情で説明していたが、謝罪の際は少し申し訳なさそうにしていた。


「いや、サリィさんが謝る必要はないです。あの、ミミさん…?って方がアレだっただけなんで。」

「そう言って頂けると、こちらとしても助かります。ですが、私たちの教育不足でした。今後はああいうことがないように致します。」

「あっ、はい。」


 最後まで硬かったサリィさんと別れて、俺は掲示板の方へ行く。

 なんだかんだあったが、冒険者になれたことは嬉しい。それを思うとさっきの事なんて別に屁でもない。

 …それは、言いすぎたかもしれない。


「これが、討伐で…?これが採取か。んー、何にしようか。」

「なぁ…!少し、いいか?」

「んぁ?」

 俺が掲示板を眺めていると、横から男の人が話しかけてくる。

 そちらに目を向けると、何故か少し怯えたように周りを見ていた。


「なんですか?」

「あの、ここの、職員さんが呼んでたよ?」

「え?どこです?」

「え?あ、あぁ。あの、着いてきてくれる?」

「え、はい。」


 なんか職員に呼ばれてるらしいので、先輩に着いていくとギルドから出て、なぜか裏手の方に回っていく。


「え、裏ですか?」

「え?あ、うん…。あの、裏口の方で呼んでるらしくて。」

「へぇ…。ん?あの人…。」


 ギルドの裏手には、何か見たことある人が立っており、それはクビになった受付嬢。ミミさんだった。

 連れてきた冒険者の人に訳を聞こうとすると、その人は来た道を走り去っていく。


「えぇ…。」

「あんたさぁ。」

「はい?」

「ガンテに言ってクビ取り消してくんない?」

「…何故?」

「はぁ…?私がクビになったのアンタが原因ないのよ!?なら、アンタが言えば戻して貰えるじゃないのよ!!」

「はぁ!?いや、無理だろ!元はと言えばアンタが俺のこと助けてくれなかったせいだろ⁉︎」

「元はと言えば!アンタがテイル様に助けられたせいで、私たちがギルドを追い出されなきゃいけなかったのよ!!」

 そう言うと、彼女は後ろを振り返る。


 すると積んであった木箱の後ろから、俺に絡んできた冒険者が出て来た。


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