音楽百夜出来るかな? 第一夜

 男の独断と偏見でお送りする、『青春と音楽』の世界。

 メジャーなものからマイナーなものまで…。

 さてさて、皆さんどこまでご存知ですかぁ?


 本文構成は、以下のとおりです。

 ◇【曲名】【(アーティスト名)】

 【男の講釈】

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 ◇ Let's Groove (Earth Wind & Fire)

 男がラジオリスナー生活にのめり込むきっかけとなった楽曲。

 ディスコサウンド創世記のトリを飾る名曲だと思います。

 出だしのマシンボイスは、後に男がパソコンの世界へのめり込むきっかけでもありました。

 聞けば分かりますが、間違いなく踊りたくなること受け合いです。


 ◇ アイリーン (安部恭弘)

 1980年代スタジオミュージシャンの集大成の一本ではないかと思ってしまう楽曲。

 正直、ここまでの楽器を集め、生演奏で収録出来た事自体が当時のバブリーっぷりを感じさせます。

 当時は、スリリングthrillingで、タイトtightで、アーバンurbanな曲…とか言われてましたが、CityPopの先駆的な曲だと思います。

 全体的に豪華で上品な曲作りに徹しているように思いますし、何と言っても間奏がオシャレですよ。


 ◇ Hard to Say I'm Sorry (Chicago)

 邦題は「素直になれなくて」。

 この曲は何と言っても、一番の楽曲が基本となり大きなイントロを構成します、そして二番の楽曲に入ると、基本に対して装飾を施していきます…曲のコード進行から始まり、乗せる楽器の数も増やしています。

 この曲構成によって、感情の抑揚を誘導するとともに、最終的には感動に打ち震えます。

 しかも邦題通り、恋の過ちに素直になれないといった内容を歌いあげていくのですから、もう、目から汗が出放題です。


 ◇ Tokyo Life (KAN)

 ある男の一週間を歌い上げたピアノ曲です…may be。

 ピアノには、エフェクトが掛かっていますし、ベースも控えめで、独特の演奏感があります。

 ピアノの弾き語りのように男性ボーカルがさり気なく乗っているのですが、その何処となく寂しそうな曲調は、無味乾燥な東京人の生活を透けて見せているように思います。

 歌詞を追っかけていると、泣きたくなりそうな構成ですが、それでも明日に向かう勇気がもらえる素敵な楽曲です。

 一人、物思いに耽る時には是非どうぞ!


 ◇ inspiration (Gipsy Kings)

 時代劇「鬼平犯科帳」のEDとして用いられた楽曲です。

 アコースティックギターだけで演奏される曲ですが…何故なんでしょう、江戸時代の風物にマッチしてたんですよねぇ…当時の番組スタッフのセンスの良さに感心します。

 インストールメンタルの曲ですので、ボーカルなどはありませんが、ボーカルに相当するギターが情感たっぷりに弦をつま弾いていきます。

 しかし、アコースティックギターでこれほどの曲が…という、ある意味極点を感じさせるシロモノです。

 こんなのを高校文化祭で演奏するツワモノが現れたら、学校側も喜んでアコースティックギター部を承認するかも…ね。


 ◇ Aphrodite (S.E.N.S.)

 ドキュメンタリー番組「海のシルクロード」のEDとして用いられた楽曲です。

 同時に「海のシルクロード」のOPも担当した S.E.N.S. でしたが、『Aphrodite』は本当に大海原を航海していく人々の描写が楽曲の随所に織り込まれている曲だと思います。

 終曲に向かって盛り上がりを見せるのですが、それは波がひたひたと打ち寄せるように盛り上がっていくのです。

 そして、残響を残したままフェードアウトする音楽。

 日頃見慣れた風景を眺めながら聞くと、きっと違った世界が垣間見える不思議なインストールメンタルの曲です。


 ◇ The Way It Is  (Bruce Hornsby and The Range)

 穏やかな朝を迎えたような、出だしで始まる楽曲。

 しかし、歌詞は歌い上げます「そんなものなのさ、何も変わりやしないんだ。」と。

 バブルが崩壊する数年前にリリースされた楽曲ですが、バブル崩壊後の日本の閉塞感を如実に歌い上げたかのような非常に興味深い楽曲です。

 基本を抑えた楽器構成、どちらかと言えばジャズよりの楽器群なのですが、その曲調はカントリーの匂いもしてきます。

 電子音を排し、楽器そのものの音色を楽しんでいる雰囲気さえあります。

 男、仕事でヘタれると、脳内でこの曲が流れてしまいます…でも、それでやる気が出るのだから、不思議なものです。


 ◇ So REAL (大江千里)

 J-POPが迷走、試行錯誤を繰り返していた頃の楽曲…かなぁ。

 アイドルボーカルを持ってきていますが、曲の雰囲気はテクノを多分に含んでいるように思います。

 結局、テクノは日本で定着することはなく、その焼き直しが「小室サウンド」と持て囃されていたように思います。

 もっとも、「小室サウンド」はヒット曲のいいとこ取りの傾向もあり、男個人はあんまり好きではないのですが…。

 電子楽器を電子楽器としてちゃんと演奏に織り込んでいるところがオススメかと思います。

 歌詞も当時の世相を感じさせる内容です…ある意味、前出の「The Way It Is」の対極にありながら、求めるところは同じと言ったところでしょうか。


 ◇ Shattered Dreams (Johnny Hates Jazz)

 ユーロビートのバラード…ともいうべき楽曲です。

 この男性ボーカルは、妙に色気を感じます…セクシーとかそう言う意味ではなく…歌声につやがあるという感じでしょうか。

 曲自体はしっかりユーロビートのスタンスを抑えています。

 ただ、重低音を多用せず、軽めの音色を採用しているのでしっとりとした感じがあります。

 あるいは、曲調とボーカルの歌声がキレイにシンクロして、しっとりであったりつやを感じたりするのかも知れません。


 ◇ 恋の予感 (安全地帯)

 歌声につやがあると言えば、彼らを忘れる訳にはいかないでしょう!

 当時20代で、この歌唱力…反則ですよ奥さん!!

 J-POPの括りになっていそうですが、ユーロビートのバラード的な曲調に聞こえなくもないのです。

 まぁ、ユーロビートの起源にテクノが含まれており、J-POPでシンセなどの電子楽器が入ってくるとビート刻みが自然とテクノ寄りになる傾向もあります。

 全てがそうだというわけではありませんが、こういう奇妙な符号を感じてみるのも、また一興かと…。



以上、第一夜の10曲をご案内しましたが、如何だったでしょうか?

皆さんがお気に召す様な楽曲に出会えたならば、幸いです。

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