TRPGの本道

 さて、先の話では、TRPGのシナリオはゲームマスターの思惑を離れ狂いだす、もしくは、崩壊していくことが多いという話をしました。


 では、何故にという話を延々としてきたのでしょうか?


 ◇ ◇ ◇


 はい、察しの良い方は気付かれたと思いますが、TRPGの面白みはにあります。


 強いて言うならば

した上で、していく!』

 となるでしょうか…。


 賽の目次第の舞台ではありますが、プレイヤーの機転キートークとマスターの即興詩アドリブで、登場するキャラクターたちの生き様は千変万化します。

 死を待つばかりの王妃マドンナに起死回生のイベントが訪れることもあれば、最弱の騎士が、倒すことすら敵わない最凶王者の横っ面を引っ叩く好機チャンスもあります。


 ◇ ◇ ◇


 マスターに依って作り出された舞台と、その舞台で踊ることを許されたプレイヤーを含めた演者達。

 演者達かれらは、マスターの手のひらで踊らされているように見えて、プレイヤーの機転と賽の目の力を借りることで、演者は舞台の上は勿論、客席、中空、天井と場所に囚われず、自由気ままに踊ることが出来る。

 そして、踊り続ける事で物語シナリオが紡がれていく。


 自分たちの発想次第で、いかようにでも織りなされていく物語。

 TRPGの面白みは、そういった所にあります。


 ◇ ◇ ◇


 冒頭にTRPGというゲームは、

『一つのオープニングがあれば、紆余曲折の末、あるエンディングを迎えます。』

 と説明しました。


 そうです。

 TRPGはスタートすれば、集った人の数、趣向、性癖、性格、心情…諸々の不確定要素とに翻弄されながらも、一つとして同じエンディングに辿り着くことのない、壮大な物語を織りなしていくゲームなのです。

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