AIという名の幻想

AIを使って自動でイラストや風景画を描けるサイトが話題となり、AIを用いた小説の作成についての言及も取り沙汰されている中、少々落ち着きのない男です。


◇ ◇ ◇


今更ですが、「AI」とは何なのでしょうか?

一般的にAIと言えば、人工知能Artificial Intelligenceを連想する人が多いと思いますし、世の中の認識も統一されているように思います。


では、世間を賑わせている「AI」とは、何なのでしょうか?

答えは簡単です。

AI


世間で普及しているものは、拡張知能Augmented Intelligenceと言われるものです。

そう、頭文字を取ると「AI」となります。


◇ ◇ ◇


拡張知能の特徴を示す言葉が、「機械学習」や「ディープラーニング」と言った、難解な言葉たちです。


これらの言葉の専門分野を覗いてみると、金枝玉葉のようにAIという言葉と絡めた言葉が踊っています。


…が、


やっている事は、画像であれ、言葉であれ、大量のデータを機械コンピュータで処理できるように、ひたすら紐づけしているだけのものです。

技術的な話をすると、またややっこしくなるので割愛しますね。


ただ、処理対象のデータを際限なく広げていけるために、人間が意図した結果を超える事象を見つけるなど、人間では及ばない所があるという点では、「ヒトより優れている」と言えます。


というわけで、取り扱うデータ量が多ければ多いほど、人智を超えた「面白い結果」も生まれるわけで、そういう事を意図して「AIを使って自動でイラストや風景画を描けるサイト」という物が登場することもあるわけです。


しかし、取り扱うデータという物が曲者クセモノになってきます。

そうです。

AIで取り扱うデータは、「複製品」になってしまうということです。


◇ ◇ ◇


「複製品」とはどういうことなのでしょうか?

先の話で、『大量のデータを機械コンピュータで処理できるように、ひたすら紐づけしている』と述べましたが、「データ」を補完するために、いろいろな情報データを紐づけしているのですから、つまりは「オリジナルデータ」が存在することを示します。


まぁ、加工された結果が「オリジナル」と考える向きもありますが、それってにほかならないんですよね。


◇ ◇ ◇


さて、AIが取り扱うデータが「複製品」となると、「複製元」も存在するわけです。

そうなんです…著作の話が絡んでくるわけです。


例えば、「AIを使って自動でイラストや風景画を描けるサイト」についての動作を想定してみましょう。

① 風景画を求める人がサイトで注文を行う。

② 注文の文章からキーワードを抽出し、キーワードに紐付けられたを取得する。

③ オーダーに合わせた追加工フィルタリングを行う。

④ 候補を複数アウトプットする。


ここで問題になるのが、です。

その画像はどこから来ているのか?

その画像は誰が撮影・作成したものか?

その画像は有償なのか?無償なのか?

等々


当然なら、対価を支払わねばなりません。

では、であれば、問題ないかと言われれば、別の問題があります。

であったとしても、を断っているモノは多いようでして。

しかも、利用する場合はの付記を求められることもあります。


◇ ◇ ◇


「AIを使って自動でイラストや風景画を描けるサイト」というくらいだから、画像の数も半端ないだろう…ということは、インターネットに落ちている画像を片っ端から…なんてことも考えてしまう男なのです。


絵画一枚にしても、これだけの面倒事が絡んできます。

文字を扱う「小説」のAI自動作成ともなれば、どうなっていくんでしょうか?

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