7月30日   トマト

 私はトマトが好きである。特に夏はよく冷やして生のまま食べるとおいしい。トマトについてよくある疑問。野菜か果物か。科学的な分類があるのかもしれない。しかしそういうことは私にはわからない。私は野菜だと思う。これが私の個人的な意見である。見た感じでは果物のように見える。ボールのような円形をしていて、柔らかく、みずみずしいからだ。しかし食べてみてわかるのだ。果物の一番の特徴がないということに。甘くないのである。果物といわれるためには甘くなくてはいけないのだ。それどころか、苦味さえあるのだ。これでは果物とはいえないであろう。しかしこの味覚は個人差があるであろう。人によってはトマトは甘くて果物みたいだ、という人がいるかもしれない。

 そこでもう少し客観的な基準がないであろうか。子供はどうであろうか。子供が食べたがるのが果物、食べたがらないものが野菜、という基準である。そうすればやはりトマトは野菜である。トマトを生で食べたがる子供はいないからだ。

 食後の気持ちはどうであろうか。たくさん食べた後に体にいいことをしたと満足感を感じるのが野菜、悪いことをしてしまったと罪悪感を感じてしまうのが果物、ということである。

 ここまで考えてきておかしいことに気が付いてしまった。それはレモンである。レモンは甘くはない。子供は食べたがらない。レモンはたくさん食べた後、体にいいことをしたと感じるのだ。それなのにレモンは果物である。私が今まで考えた基準が当てはまらない。これをどうすればいいのだろう。私が考えた基準が間違いなのであろうか。それとも、レモンは例外なのであろうか。

 すっぱいという味、これも重要であった。すっぱい味がする食べ物も果物と考えればいいのかもしれない。そういえばよく考えてみれば果物は甘いだけではなくすっぱい味も同時にあるのであった。いわゆる、甘酸っぱい味だ。そうだったこの味こそすべての果物の基本となる味だった。だからレモンも果物なのだ。

 ここまで書いてきたら急にフルーツジュースが飲みたくなった。今、家にあるのはグレープジュースだ。これも確かに甘酸っぱかったな。   つづく

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