7月27日 涼しい音

 今日も相変わらず暑かったが、クーラーの効いた部屋の中にいると本当に天国だ。外が暑ければ暑いほど部屋の中は天国になる。この涼しい部屋の中で冷たい飲み物を飲みながら文章を書いているととても楽しくなるものだ。特にこのクーラーのゴーという音がまたいいものだ。この音を聞いているだけでも涼しげだ。

 風鈴というものがある。このチリンという音、これが涼しさを感じさせてくれるわけだ。つまりこの音が鳴るということは、風が吹いているということだからだ。この音を聞くことによって風が吹いているということが実感できるというわけだ。風というものは涼しい。しかしそれはある程度強くなくてはいけない。風鈴が一番活躍できる時とは、人間が涼しいと感じ取ることができないくらいの風が吹いている時ではなかろうか。つまり風があまりにも弱くて涼しいとは感じることができないこういう時に風鈴のチリンという音がものを言うということである。この音を聞くことで涼しさを感じるためには足りない風の強さを補ってくれるということである。

 ではクーラーはどうであろうか。クーラーはかなり効き目がある。寒いくらいにもなる。クーラーのゴーという音は涼しさを演出させるための音ではなくて、暑くて苦しい外とは違いこの部屋の中は素敵な世界ですよということを訴えているような音なのかもしれない。もっともこれも結局は涼しいということ感じさせることではないかと言われてしまえばそうなのかもしれない。確かに風鈴のチリンという音と、クーラーのゴーという音は、涼しさを感じさせる音という点では共通かもしれない。しかしまったく同じということではないように思われる。

 それにしてもこれらの音は実にいいものである。これらの音を聞きながらだとよく眠れるのではなかろうか。そう思うとこれからまだまだ夏が続くが、なんだか楽しくなってくる。このままずっと夏のままでいてもらいたい、などと思ってしまうこともある。   つづく

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