第9話
「俺たちには半年しかない。それでもいいか?」
真剣な表情を浮かべた秋川が言った。
いいかって何? 秋川、彼氏になってくれるの?
「彼氏になってくれるんですか?」
秋川が穏やかな顔で微笑む。
「余命半年なんて言われたら、人生最期の恋をしたいとかって、佐々木の年なら思うだろ? まだ18だもんな」
私が余命半年だって、本気で思っているんだ。
しかも可哀そうだと思って彼氏になってくれるんだ。秋川、優しい。
「相手が30のオッサンってのも、ちょっと釣り合わない気もするが、佐々木が寂しくならないようにするから。何かあったらいつでも連絡して来い。どこかに出かけたかったらつき合うし、行きたい所があったら言え。とりあえず連絡先交換するか」
嬉しい……。
秋川の言葉が胸の深い所に刺さる。
「佐々木、いや、
スマホを取り出して連絡先を交換し終わると、秋川が言った。
初めて下の名前で呼ばれた。
なんか彼女みたいでにやける。
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