第6話

藤井って人の話によると、秋川は今まで告白して来た生徒に余命半年なんて嘘をついて断って来たらしい。


きっと私に余命半年って言ったのは、勉強をさせる為だ。自分も同じだと言えば同情すると思ったのかも。


何が目の前の勉強を頑張ろうよ。人生の最期に合格通知をもらおうよ。先生のくせに平気で嘘ついて。


なんか腹が立つ。秋川に仕返しをしたい。


どうしたら秋川を困らせられる? 秋川が苦手な事って何?


「先生って一人が好きなんでしょ? 彼女とかできたらウザいとかって思ってます?」


藤井って人が言った。

秋川は一人が好きなの?


「それとも先生、女が苦手とか?」


ふむふむ。女が苦手。


「まあ、一人が好きなのは否定しないけどな」


秋川が認めるように笑った。

一人が好きで、女が苦手って事だよね。


秋川を困らせる方法がわかった!

秋川の彼女になればいいんだ。

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