オメガバース・オムニバス GL編 甘い香りαサイド
優しい学生二人組と我が子達と私の紅茶パーティーが無事に終わった。
「たのしかったー!」「ねー!たのしかったー!」
「また時期をみてお誘いしようね、パーティー」
『うん!!!!』
「次は何パーティーにする?」「どうしよう?」
(もう次を考えてる。仲良くなれてよかった)
「ママーこれなにゴミー?」「もえるだよー」
「お皿洗いするー!」「ありがとうー!」
我が子達は私を支えるために、周りの子供たちよりほんの少し知能と精神が大人びて育っている気がしている。親バカだろうか。
「お片付け終わりー!!あつまってー!!」
『はーい!!!!』
「お疲れ様のぎゅー!!!!!」
『ワーイ!!』
私ができる甘やかしはこれと手作り料理。
「ぼくもぎゅー!」「わたしもぎゅぎゅー!!」
スキンシップは、心を許してる者同士ができる感情の伝達手段だと母に教わった。
我が家独特の仲良しのためのルール。
「あっ!!!忘れてたぁ!!!!」
娘がなにかを思い出したらしい。
直ぐ側で声を出されて鼓膜が破れるかと思った。
「なぁになぁに?忘れてた事、知りたいな」
子供たちが耳打ちしながらヒソヒソと示し合わせを始める。同時に発言する準備だ。我が子可愛い〜。
『おにいちゃんおねえちゃん、いい匂いだった!』
「……よかったね!!!うん!!よかった!!」
内心でいろんな思考が駆け巡った。
【もしその香りが、微量でもフェロモンだったら】
(たしかに彼女はいい香りだった、多分Ω用の香水)
(子供とはいえ、簡単に触れ合わせてよかったのか)
(心を許せる人ができてよかった)
(ヒート状態を不可抗力で経験してしまってたら)
(理解までいかずとも、二次性を知る機会かも)
「ママ…?わたし、へんなこと言った…?」
「ううん。大丈夫よ」
「ぼくたちのだいすきちゃんと伝わったかな…?」
「大丈夫。きっとたくさん伝わってるよ」
我が子たちにとっては、スキンシップは大切な感情表現の上位にくる。
これから先は、他人にそうする機会と可能性が確実に増える。
全部伝わらなくても、伝えておこう。
そして考えよう。あの二人組とのもっとたくさんの仲良しの方法を。
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