オメガバース・オムニバス GL編 再会と招待

双子ちゃんにぶつかった日から、一週間。

紅茶パーティーの日がやってきた。

指定の時間より早くついてしまったので、

約束の場所で親子が迎えにきてくれるのを待つことにした。


友人と自分それぞれヒートの気配もなく、五体満足。健康。なんなら手作りのマカロンを作った。


友人の紙袋には子供たちがすきそうなキャラクターのおもちゃ。

福面ランナーとぷにキュラ。

真顔の友人が持っている姿は、なんというか。


「例の知り合いに「最近知り合った子どもたちにあげたいんだけど」って頼んだらくれた」

「知り合いさん、優しいね?」

「うん。優しい」

「ちなみにそのふたつ、なにか知ってる?」

「知らない。知り合いがくれたし大丈夫だよ」


(知り合いさん信頼度たっか。いったい何者だい。)


「お二人共、おまたせしましたー!」

『おにいちゃーーん!!おねえちゃーーん!!お待たせーー!!むかえにきたよーー!!』


雑談をしているうちに指定の時間になっていたらしく、双子ちゃんがママさんを真ん中にして手を引きながらこちらに駆けてくる様子が見えた。


「あーー可愛いーー」

「心の声、だしすぎないで。変態みたくなるから」

「ハイ」


『あいたかったよーーーー!!!!!!!!!』


「ォウッ」

「ぐぇ」


緩みかけた顔を正していたら、ママさんの手を離れた双子が自分たちの腹部あたりに勢いよく飛び込んできて衝撃をもろに食らった。


「ハァ…もぅ…!お二人が痛がってるでしょ!!

お二人共、お待たせしました。案内しますね!」


ママさんが軽く息を切らして、到着した。

お疲れ様です。


『こっちだよ!!手繋いでいこ!!エスコート!』

「うん、よろしくお願いします」

「つなごう、つなごうー!」

「しっかり、案内するわよー!」


ママさんを先頭にして、友人と双子のお兄ちゃん。

私は、双子の妹ちゃんと手をつないでご自宅まで

「エスコート」してもらうことになった。


にぎにぎ (手が小さくて癒やされる。可愛い)


友人をふと見てみたら、お兄ちゃんの手にしっかりエスコートされる手の載せ方をしていた。


「お手をどうぞ」「ありがとう」の、あの手。


なんか様になっていて不思議な光景だった。


「おねえちゃん、どうかしたの?あれがいい?」


妹ちゃんが、手への視線に気づいたのか変更を申し出てくれたが、私はしっかり握るのが好きだ。


「このままのほうがいいな!温かいし仲良し!!」

「わかった!わたしも仲良しが良い!!えへっ⁠♪」


(んーーーーーーーー可愛い)


そんなこんな楽しくエスコートされていたら、親子のご自宅に到着した。


「おじゃましまーす!」

「おじゃまします。…靴ここでいいのかな」


『ようこそ!!ゆっくりしていってください!!』

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