オメガバース・オムニバス GL編 予兆
友人と学校に向かっている最中
ロ リ と シ ョ タ に、ぶつかった。
しかも見た感じ双子だった。可愛いが過ぎた。
助け起こした際、黄色い帽子が足元に落ちていたので、ピカピカの一年生だったんだろう。
「ママさんも、だいぶ綺麗なひとだったなぁ…」
双子ちゃんママから貰った紅茶クッキーの袋を眺めながら、双子ちゃんとママさんを思い出す。
今想えば、だいぶ顔が良い親子だった気がする。
来週の同じ曜日、ぶつかったあの場所で集まって親子の家にお邪魔して紅茶パーティーの予定がある。
もし。もしもあの親子がαの親子だった場合、私と友人はΩなので、細心の注意をはらって関わらなければならない。
それか、もう迂闊に近寄れない。
法整備がなされ、性奴隷の様な扱いもなく、Ω用のヒート抑制薬も多種普及してきたのは良いものの、
突然のヒートやαのラットにあてられない可能性がないわけではない。
そうなったらどちらも制御が効かなくなる。
「隣でうんうん唸りながら変顔しないでよ。おもしろくてランチふきだしそう」
「だってぇ〜」
当の友人はすまし顔で、横に座りランチを手早く食べている。私もランチ食べよう。
「ぶつかった親子、…ムグ…
「……モグ…エッ…ゲホッゲホッ!!!!!」
なんでわかるの、そんなこと。と友人に目で伝える。
「俺の知り合いに、αがいるからなんとなく。ん」
水を差し出しながら、答えてくれた。
「あと、そろそろヒート周期近いでしょ。すっごく微量なフェロモンなのにでてるのをママさんが感じ取った瞳をしてた。基本、他のΩは自分で手一杯だろうし、βはあそこまで敏感じゃないって話かな」
詳しい解説もついてきた。頭がいっぱいだ。
解説中に食べ終わったので、お腹もいっぱい。
「…紅茶パーティー行けるかな。どうおもいますか、ヒート抑制剤開発者の大学院生のパイセン」
「…最悪の事態は、チョーカーで避けれるから大丈夫。だけどもし行くなら、緊急時用の強めのヒート抑制剤持っていこう。それならどうにかなるよ」
満腹になった幸せな脳で決定した紅茶パーティーの参加。
連絡先を知らないので、当日にママさんには
「自分達はΩ」と言う事をちゃんと伝えて、上手く関われそうだったら、ついでに双子ちゃんの好きなお菓子も聞き出そうと決まったのだった。
一週間後が楽しみで、緩んだ顔を友人がつねった。
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