トラベルの鞄は異界と異星でドン詰まり

タゴメ

第1話 トラベルの鞄は異界と異星でドン詰まり

〓〓素材提供元:短毛丸様

 「山岳地帯モンタニャール」。

 それがこの市町村を総称して呼ばれた日本の地域である。日本において山岳地帯というワードといえば、大体、ここを意味する。

 山岳地帯のメインストリート、私鉄「神駒駅かごまえき」。商都と古都を結ぶ懸け橋の駅だ。神駒駅かごまえきは山岳地帯の中心地であり、商都と古都を東西に構える。

 そこで演説している国会議員がいた。

「この励声れいごわ3年より100年以上前の第2次世界大戦、かの悪の枢軸といわれた国々には黒幕がいました。魔王ノアです。それを連合国の勇者トラベルが退治しました。戦後、日本は勇者トラベルを中心とした占領軍のお陰で経済大国として復興を果たしました。日本諸島ニホンアイランズ。それが今、日本を議長国とする連合国家の名前です」

 オールバックで黒縁眼鏡でスーツを着こなす初老の男性はこの選挙区の立候補者を応援するためにかけつけた。

「私は改組目前で持病により、内務卿引退を決断しました。しかし……私と同じ考えを持つ者が必ずやこの国のを改組し、侵略を企む国々に負けないようにしたいと――」

 国会議員の目の前に愛国心ある支持者たちがたくさんいる。若者たちが特に多い。若者たちは敬礼をする。だが、その若者支持者の1人に違和感を感じた。

 国会議員を守るために周囲にボディガードたちは気づく。

「この臭い……潮気の香り?……おい!!!!」

 この山岳地帯は臨海部からかなり遠い。しかし沿岸部では当然に感じとる潮気の臭いがした。

 ボディガードたちは拳銃を取り出す。しかし初動は遅かった。若者支持者の1人の男性が小石を投げた。その小石は一瞬にして発火し、燃える小石となる。燃える小石が国会議員に直撃する。その国会議員は小石の直撃は痛くも痒くもないが小石の炎が燃え移り、一瞬にして人体すべてが炎上する。

「お前は魔王の下僕だったんだぁあああああ!!!! この新型魔王病アークネイミーのパンデミックはお前の仕業だぁああああ!!!!」

 その若者の男性はボディガードたちによって取り押さえられて身動きを封じられる。燃え続ける国会議員の火を消そうとボディガードたちは消火に全力を尽くすが虚しくも消すことはかなわかった。国会議員は肉片残さず焼け焦げて焼死するのだった。

 この国会議員は数年前、日本内務省改組を目指して長期政権を作った偉人であった。高い支持率を維持し、内務省改組のための国民投票まで間近だったが、余裕しゃくしゃくと自身の権威の基盤を固めてきた。内務卿は他国では総理大臣を意味する。だが、そこで予想外のことが発生する。

 新型魔王病アークネイミー

 第2次世界大戦でを組織した黒幕である魔王ノアが開発したウィルス兵器――魔王病アークネイミーの新種である。自我が奪われ凶暴化し衝動のままに破壊する。魔王ノアに隷属するというウィルスである。これに対して連合国と勇者トラベルはワクチンを開発して克服した。

 それが今になって新型魔王病アークネイミーとして世界中に流行したのだ。

 日本内務省はこれの対処が遅れて多くの被害者を出した。3年後の現在ようやくワクチンや自然免疫により鎮静化したと思ったがそうは許さなかった。

 元内務卿、晴明部阿はるあきらつかさくまの焼死事件は大きくこの日本を揺らすのだった。

 数日後、同じ私鉄「神駒駅かごまえき」のストリート。

 片眼鏡モノクルをしている学ランの少年が歩いている。彼は焼き芋を朝飯に齧りながら新聞を読む。

「南北は対立は激化。新型魔王病アークネイミー南洋諸国連合SOCUの画策であると北洋条約機構NOTOは主張……。第3次世界大戦の危険性が高いってやめてくれよい。平和維持活動事務局PKOSが崩れちゃうよい」

 3年前の新型魔王病アークネイミーのパンデミック騒ぎで世界中は混乱期カオスだ。とは南北の連邦国家が戦後、築いた国際秩序であり、少なくとも世界は少し平和である。

「魔王ノアは第2次世界大戦の話だろよい。元々、人工的なウィルス兵器が野性化してそれで新型として変異しただけだよい。南洋諸国連合SOCUのミスなわけないよい」

 駅の歩道橋を歩いていると、胃袋が伸縮する。その感触になったときは危険が自分に迫っている時だ。背後に何かを感じる。焼き芋の残りを食いきって瞬時に背後に振り向く。目の前にテニスボールが飛んできた。そしてそれを追うテニスのユニフォームを着た女子中学生が駆けつけてくる。少年はその女子中学生の名を知っていた。

 少年はとりあえず、速球で飛来したテニスボールを瞬時に掴み取る。

「危ないな」

「おい、そこの高坊こうぼう!!! わっちのナイスボールをナイスタイミングでとったのう」

 真っ白なテニスのユニフォーム、黒いラケット、テニス用のバイザーを逆にかぶっている。

「この山岳地帯に北洋条約機構NOTOから留学した経済特区生GSSEZ、テニス・ジュドポーム」

 平和維持活動事務局PKOSの国際テニスジュニススクール大会で小学生から中学生の部まで8年間連続優勝を誇っている。そんな彼女がこの日本の山岳地帯に中学生に入る段階で留学してきた。名前がテニスなのは両親がテニスを愛して欲しいからつけたらしい。

「テニスの練習をするなら学区でやれよ。ここは違うだろよい? まず高坊こうぼうてどういう意味だよい?」

「中学生の坊主を中坊というならば、高校生の坊主は高坊こうぼうじゃ。しかしのう……。その学ラン。わっちと同じ学区じゃな?」

「俺は頸木炬燵くびきこたつ準軍事組織じゅーぐん平和維持活動学区PKOスクールの3軍クラスさ。特進コースの1軍生徒さん」

 準軍事組織じゅーぐん。日本内務省警察予備安全保障局のことである。つまり軍隊である。ちなみに日本は北条約機構ノースオーシャン南洋諸国連合サウスオーシャンどちらの連邦制には属していない。第2次世界大戦は平和維持活動事務局PKOSが悪の枢軸諸国に勝利し、日本を占領した。その後、日本は南北の火種の緩衝地帯となった。そして平和維持活動学区PKOスクールとは、準軍事組織じゅーぐん平和維持活動事務局PKOSの間で共同で組織された国際平和のための学校である。小学生から大学生までが1軍クラス、2軍クラス、3軍クラスとして区分けされている。

「3軍クラスは1軍クラスのための直属の部下を養成するザコクラスじゃな。わっちのテニスボールを掴めるとは驚きなんじゃ」

「何が驚きなんだよい? 知らないが……俺は番長として閉めにしかないといけないんだよい」

 頸木炬燵くびきこたつは忙しかった。「番長」という大層な役職に就いた覚えはない。だが、番長と呼ばれている人間の代役を本人から頼まれた。

 テニスにテニスボールを返すと、頸木炬燵くびきこたつは踵を返し目的地を目指す。歩道橋を降りて商店街を抜けて辿り着いたのはメイド喫茶だった。そこの店内で迷惑をかけている地元の不良連中がいた。頸木炬燵くびきこたつは店内に入る。不良たちは合計で8人だ。

「すいません。それ以上のサービスは当店ではできません……ご主人様……」

「お前らは召使いなんだろ? もっとサービスしろよ!!」

 不良たちは未成年のメイド定員の胸ぐらをつかんでキスを強要する。そこに頸木炬燵くびきこたつは新聞を丸めてボール状にする。それをメイドに水商売クラスのサービスを求める不調の側頭部に投擲する。

「何しやがんだ!!!」

「番長が入院したら傘下の各グループは好き放題だな。俺は番長の代役――裏番をつとめる頸木炬燵くびきこたつだ。山岳地帯の治安悪化の危険性を隅々から解決していくのを生業としているだよい」

「裏番か!!! 俺らはお前の下っ端についた覚えはない!!! ここは神駒駅かごまえきの縄張りは俺たちもんだ」

 不良たちが会話も交えずに拳を振り上げて迫ってきた。番長が大けがをして入院したと聞けば、傘下の各グループは勢力圏を取り戻そうとする。不良の1人が拳を振るってくる。頸木炬燵くびきこたつはそれを寸前で回避して手刀を打ち込む。その不良は後方へ弾き飛ばされて失神する。

 続けて別の不良が蹴りを繰り出してきた。それも頸木炬燵くびきこたつは横回転しながらやり過ごして大蛇のように片足をくねらして目前の不良を蹴飛ばす。

 不良の後続が護身用警棒を取り出して振りかざしてきた。頸木炬燵くびきこたつは片手を背刀にしてその打撃武器の奇襲に叩き込む。その不良は得物を弾き飛ばされて素手だけになる。頸木炬燵くびきこたつはそのまま手の斬撃にして打撃の猛風でその不良を突き飛ばした。その不良は背中から店の壁に激突し悶絶する。

「俺たちにとって喧嘩なんて日常茶飯事だ!!! 何で俺たちの動きを見切れるんだ!!!」

「古今東西だからさ。理解には幾星霜かかるだろうけどよぴ」

 不良たちは一斉に頸木炬燵くびきこたつを包囲して一網打尽に移行する。頸木炬燵くびきこたつにとって不良たちの全ての攻撃の把握できた。頸木炬燵くびきこたつとなる。体術は「零戦ぜろせん」と呼ばれるものだ。それは簡単に会得できる体術ではない。

 全ての攻撃は回避されるか弾き返されて返り討ちにあう。不良は全員、床の上で苦しみながら動けなくなる。

「番長代理さんありがとうございます♪」

 メイドさんたちは頭を下げてお礼を述べる。メイドたちを取り仕切るシフトリーダーが準軍事組織じゅーぐん綱紀修整課シュタージつまり地元警察に通報した。

「いやいや、番長が入院中は俺が山岳地帯の縄張りを守っておかないとね」

 頸木炬燵くびきこたつは番長の日常業務――を終えて店から出店しようとした時だった。失神したはずの不良の1人が立ち上がる。かなりのタフガイなのか頸木炬燵くびきこたつは溜息をついて振り返り身構える。目の前の光景に驚いてしまった。

 その不良は両目が瞳がなくて真っ黒に染まっていた。

「受信!!! 受信!!!! 受信!!!!」

 いきなり「受信」という単語をひたすら連呼するようになり、にやけている。頸木炬燵くびきこたつはその異変だらけの不良から潮の臭いを感じた。その不良は拳を振るい突っ込んでくる。頸木炬燵くびきこたつはその攻撃の行く末を想定して応戦しようと思ったが不良の拳打速度はそれを上回った。頸木炬燵くびきこたつは即座に防御の構えをとり、不良の攻撃を受け止めた。その不良は「受信」とただ言いながらお店から逃げ出していった。

「裏番さん!! 大丈夫ですか?」

「大丈夫ですよい……。恐らくあの不良のあんちゃんは……新型魔王病アークネイミーに感染したな……」

 頸木炬燵くびきこたつはメイドの店員に地元警察――準軍事組織じゅーぐん綱紀修整課シュタージへの対応を任せると、異常化した不良を追跡することを選び、店から出る。

「元内務卿……晴明部阿はるあきらつかさくまの凶弾事件から新型魔王病渦ネイミーかが始まってから頻発するな……」

 第2次世界大戦、魔王病に発症したら破壊衝動ととらわれ狂暴的になり、魔王に絶対忠誠を誓うウィルス兵器。あれで悪の枢軸国が結成された。ワクチンや自然免疫などで集団免疫が確立し克服された。その後、ウィルスは野性化した。そこから100年以上年月が経過し、励声れいごわ3年目にして急激に新型の変異株として世界中に広まった。感染源は南洋諸国連合サウスオーシャンの巨大属州国といわれている。

 この山岳地帯モンタニャールの市町村は混乱する世界情勢――新型魔王病渦ネイミーかの中で比較的落ち着いている地域なのだ。それも平和維持活動学区PKOスクールがあり、そこを所管とする、準軍事組織じゅーぐん平和維持活動事務局PKOSの連合防衛組織――山岳地帯航空宇宙防衛司令部 マサデコマが開発した試験的飲み薬をこの地域の住民限定で配布し服用したことでなんとか新型変異株の病魔から救われている。

 頸木炬燵くびきこたつは狂暴化した不良を追跡する。商店街を抜けてスラム街にさしかかる。ここは現在入院中の番長が取り締まりの目を光らせていた治安の悪い場所であり、この山岳地帯モンタニャールの社会で生きていくことができなかった落伍者たちの掃きだめになりやすい。神駒駅市街かみごましがいの隣にある無法地帯――悪路迷路ジャングルジム。それは山岳地帯モンタニャールを「保護下」という名目で事実上、牛耳っている山岳地帯航空宇宙防衛司令部 マサデコマが計画的に用意させた悪と落伍者の掃きだめである。山岳地帯モンタニャール一体を代々「番長」という未成年が取り締まってきた。番長の睨みがあるからこそ、山岳地帯モンタニャールの悪と落伍者は悪路迷路ジャングルジムに放浪してやがて漂着する。

 悪路迷路ジャングルジムのスラム街に差し掛かると、そこら中に不登校者や浮浪者たちがたむろしている。彼らは頸木炬燵くびきこたつの姿を目にすると頭を深々と下げる。この山岳地帯モンタニャールでは「番長」を第2次世界大戦の勇者トラベルに例える者がいる。現在入院中の番長もこの無法地帯悪路迷路ジャングルジムを自身の縄張りシマにしようとした海外マフィアや日本辺境の広域暴力団を腕っぷしで取り締まったのだ。

 悪路迷路ジャングルジムの奥地をずっと進んでいくと、路地を道塞ぐ少女が2名と1体の子供が現れる。

 それは奇妙な光景だった。


 キャンプ用のガスコンロを地面に設置し、既に点火されている。そのガスコンロの上部には棒が2本左右にvの字に分かれている。その2本の棒の先端にはYの字になっていてそこに別の長柄がセットしてある。そこに少女が吊るされている。藤色の法衣を纏い、同色のとんがり帽子をかぶった褐色肌で赤銅色の長髪――異国の少女だろう。金色の瞳孔をしている。あと瓶底眼鏡もかけている。

 その少女は見た目は魔女っぽい。

 その魔女っぽい少女は長柄にくくりつかけられて命乞いをしている。

 それもそのはず、その魔女っ子を魔女裁判の如く火あぶりの刑罰に処そうとする少女がその長柄を回しているからだ。

「マルっちやめてズラぁああ!!! あっしはただ、目の前のコンビニスイーツにお菓子の精霊が宿り、買ってくれと懇願したからダズラぁああ!!!!」

「吾輩がそれで気がおさまると思っているでありますか!!! オペペ!!!   お腹が減ったらまず吾輩に相談しろと言ったでありますな。な? ゴブダーク様」

「ごぶごぶ♪」

 魔女っ娘を焼き上げようとしているのは見た目はゴルフの女性アスリートっぽいミニスカと半袖で何故か頭部、上半身胸部、腰、靴の4か所に騎士の甲冑っぽい装備をしている。水色の髪で長い髪は片方にまとめている。ツインテールやなくてサイドテールと表現したほうがいいのだろうか疑問がわかない。その少女も異国の者のようだ。

 ゴルフの女子アスリートっぽい少女の問いかけに立ったできるようになった0歳児に見えるが、全身真っ黒の異形だった。

 頸木炬燵くびきこたつはそれに心当たりがあるがしかし違和感を感じていた。それは毛のないはずなのにモヒカンがあり、尖った耳、腰のところだけボロい布で隠してある。

「異国の者か? 魔女っぽい人は南洋諸国連合サウスオーシャンアフリカ大陸の属州国出身? そしてあんたは北条約機構ノースオーシャンのヨーロッパ諸国の人?」

「あ? 日本諸島にほんアイランズの人!! ヘルプミーでズラ!!!この人があっしを火刑に処そうとするでズラ!!! 魔女裁判は現代では禁止されているズラなのに!!!」

「……悪いがお2人さんと謎の小物1匹……。この山岳地帯モンタニャールの無法地帯悪路迷路ジャングルジムは不法滞在の外国人はそれなりにいるのは知っているが、裏社会の寄り合い所帯のしきたりで道端で勝手に火を使った調理は禁止されているんだよい。早々に中止しないと裏番の俺か……綱紀修整課シュタージつまり地元警察を呼ぶことになるんだが……」

 頸木炬燵くびきこたつの注意に効果があったのかゴルフ女子アスリートっぽい少女は即刻、魔女っこの火あぶりをやめて片付ける。

 そして名乗り出す。

「吾輩は北条約機構ノースオーシャンのヨーロッパ諸国に支部を持つ新興宗教団体――「聖仙魔天せいせんまてん」聖女アイアンメイデン系統派に籍を置く2等聖女騎士マルチーズ・アンノーンであります。」

 マルチーズは騎士道としての挨拶を行う。身体の各所に騎士甲冑の部位が装着されているのはそれが理由だった。腰にはゴルフクラブが長剣のように帯剣してある。奇妙な見た目だが頸木炬燵くびきこたつはマルチーズの外見よりも少女の所属元の団体名を耳にしてドン引きした。

「続いてあっしは同じく聖仙魔天せいせんまてんの魔女カーミラ系統派に籍を置いている魔女の門弟、オッペンハイマー・キリマンジャロでずら♪」

 オッペンハイマーの横に真っ黒なゴブリンも丁寧に挨拶をする。

「ごぶごぶ」

 しかし、それしか言えない。

「……聖仙魔天せいせんまてん……。第2次世界大戦終結後、世界各地に支部を設けて急激に拡大した新興宗教団体……。次世代の世界宗教候補ともいわれている……」

 晴明部阿はるあきらつかさくまの凶弾事件から判明した。内務省政府とその新興宗教団体の繋がりである。事件の犯人もそこの信徒だったのだ。当初、聖仙魔天せいせんまてんの宗教テロかと騒がれたが、あくまで犯人の私怨によるものだというのが発覚した。

「お2人とも遠路はるばる、連合国家――日本諸島にほんアイランズに何の御用なんだよい? あの凶弾事件を境目にパンデミックが発生した。特にこの日本という地では感染症とおたくら新興宗教団体に対して凄い警戒感があるんだ。晴明部阿はるあきらつかさくまの異常な政治コネクションの正体があんたらだったんだからな……」

「訂正するでありますが……。あれは既存の宗派から仙女竜吉公主ロンチーコンス系統派へと改宗したあやつの私怨だ。むしろ吾輩たちは迷惑しているんだ。とういより……吾輩たちが名乗ったんだ。貴殿も名乗るのは筋であろう」

 当然のマナーを言われて頸木炬燵くびきこたつは舌打ちをする。

「俺は頸木炬燵くびきこたつ準軍事組織じゅーぐん平和維持活動事務局PKOSの連合防衛組織――山岳地帯航空宇宙防衛司令部 マサデコマに所属する高校生警察予備官だ。平和維持活動学区PKOスクールという小中高大学がまとまった国際的な学校の生徒だよい」

「「山岳地帯航空宇宙防衛司令部 マサデコマ!!!」」

 今度は頸木炬燵くびきこたつの所属元を聞いた途端、マルチーズとオッペンハイマーは身構えた。オッペンハイマーは箒を棒術のように振り回す。マルチーズはゴルフクラブを抜き放ち、ミニスカのポケットからゴルフボールを取り出す。

「国際南北問題を裏から牛耳っている国際宇宙開発事業団!!!」

「あの凶弾事件はお前らの仕業でずら!!!」

「ごぶごぶ」

「その事件だけは言いがかりだけど……山岳地帯航空宇宙防衛司令部 マサデコマは確かに国際南北問題を裏から糸で引いているのは事実さ。お互いに争わせてマッチポンプで利益を荒稼ぎをしているからね。俺らの所属元は。一応、準軍事組織じゅーぐんに在籍しながらも外殻独立公団だ。自由奔放にやっている。南北対立がありながらも南北とこの連合国家「日本諸島にっぽんアイランズで国際宇宙ステーションが建設されて運営されているからね。でも、世界中の信徒から金を巻き上げる君らとは一緒にしないでほしいよい」

 凶弾事件から聖仙魔天せいせんまてんの巨額な集金活動が問題になった。聖仙魔天せいせんまてんはその集めたお金を元でに様々なビジネスに手を出して恐ろしいことに大成功をおさめている。「死の商人」といわれる山岳地帯航空宇宙防衛司令部 マサデコマに「資産家」として台頭できるほどの経済力を誇っている。次世代宗教の候補と目されているが、既に世界宗教の各宗派を買収してそこの信者全員を自身の新興宗教へと見事改宗させたのだ。

 マルチーズから仕掛けてきた。ゴルフボールを拳で握りながら何かを唱え始める。

「この世界を作りたもうた先史文明アーキタイプよ。聖女アイアンメイデンの名に殉ずるのを誓う……。聖火を纏う白鳩よ!!!」

 マルチーズはゴルフボールを地面へと落とす。そのゴルフボールにゴルフクラブで思いっ切り、スイングして打ち飛ばす。そのゴルフボールは思いっ切り飛んで急に白い鳩に変身した。その白い鳩はさらに全身を発火させる。炎上している白鳩が突っ込んでくる。

 頸木炬燵くびきこたつも戦闘態勢をとり、その燃える白鳩に対してどうするべきか思案しているときだった。

高坊こうぼう!!! バカなんか!!! 相手はじゃぞ!!!」

 突然、頸木炬燵くびきこたつと白い鳩の間にどこからか少女が割り込んできた。なんと、テニス・ジュドポームだった。

 

 テニスはテニスのラケットで肉迫してくる燃え盛る白鳩を叩き落した。

転移考古学者スプリガン。この地球各所にあるあらゆるエネルギーを自分の手元にワープさせてくる儀式や催事をライターの火をつける感覚で再現できる集団。ま、俗にいう魔術師や魔法使いのたぐいでじゃな」

 古来、世界各地であらゆる伝記や伝承に記載されていた神や悪魔、怪物、天使、妖精、妖怪、魔法使いのたぐいを国際宇宙開発事業団――山岳地帯航空宇宙防衛司令部 マサデコマは「転移考古学者スプリガン」という仮説を立てた。彼らは世界最古の文明の遺跡や遺物何らかのテクノロジーを手に入れ、それを「宗教」というツールで権力を手にしてきた。時には奇跡で民を救ったり、時には天罰で恐怖政治をしいた。

「お前ら!!! のこのことわっちらの本拠地である山岳地帯モンタニャールに来襲するとは良い度胸じゃな!!!」

 テニスはテニスボールを取り出してマルチーズのように握りしめる。

人造惑星再構築ジラマスター……事象の地平面イベントホライゾン……マイクロブラックホール!!!」

 そのテニスボールは急速に真っ黒になり、例えると黒い霧の球体となった。黒い霧の球体をテニスはまるでテニスボールのようにラケットで正面方向へと叩き込む。

「何でありますか? あれは?」

「マルっちのバカずら!!! 避けるずら!!!」

 飛来してきた黒い霧の球体の正体をオッペンハイマーは知っていた。それでマルチーズを突き飛ばす。そして彼女もゴブダークを連れて避ける。

 黒い霧の球体は地面に直撃すると、そこに直系2メートルのクレーターを発生させる。

「jam Aerospace Exploration ability――略してジャクサ……極地宇宙航空研究開発能力値JAXAというズラ。簡単にいえば、あっしらの転移考古学マジシャンに対抗できる科学的特殊能力。人造惑星再構築ジラマスターとは宇宙で確認された星々をこの地球環境でボールサイズに再現して自在に操ることができるずら」

「あれってなんかブラックホールっぽいでありますな……。て、ことは……あの子って……」

経済特区生GSSEZ、テニス・ジュドポーム。極地宇宙航空研究開発能力値JAXAを使うだけで億単位の儲けが発生するずら。本来ならここは即座に退散といきたいけど、新たな冷戦は作るわけにはいかないずら!!!」

 オッペンハイマーは箒ではきだす。掃かれた塵芥ちりあくたは一か所に徐々に固まっていく。

「この世界を作りたもうた先史文明アーキタイプよ。魔女カーミラの名に殉ずるのを誓う……。魑魅魍魎の大男ゴーレム!!!」

 塵芥の塊は段々と背丈4メートルはある巨大な人型を形成していく。身体つきは筋肉隆々となっていく。剛腕が何本も生える。

〓〓素材提供元:qut様

「ゴミ人形ごときがわっちのマイクロブラックホールで丸かじりしてやるわい!!!」

 テニスは新たにテニスボールを取り出して極地宇宙航空研究開発能力値JAXAを使う。テニスボールサイズのブラックホールへと変貌し、テニスはそれをテニスラケットで打ち飛ばす。魑魅魍魎の大男ゴーレムはそのブラックホールの弾丸に1本の剛腕を叩き込む。剛腕の先端の手はえぐられたがそこに塵が集まって手を再生する。

経済特区生GSSEZ。調子をこかないでほしいずら。あんたらの本拠地にドライジブラルタル総本山から態々任命を受けてやってきた信徒というのは……それなりの実力を認められているずら」

 魑魅魍魎の大男ゴーレムは無数の剛腕を振るいテニスを殴打で瞬殺しようとする。それにテニスは対応が遅れてしまった。テニスは死を覚悟した。しかし寸前で魑魅魍魎の大男ゴーレムの無数の剛腕が一斉に砕かれていた。

 テニスの目の前に頸木炬燵くびきこたつが割り込んでいた。頸木炬燵くびきこたつは片手が電車の車輪になっていた。その車輪の直径は巨大であり、高速回転している。なんと、魑魅魍魎の大男ゴーレムの塵芥の塊でできた剛腕を全て車輪の回転でミキサーのように巻き込んで壊したのだ。

「テニス。さっき助けてもらったから借りは返さないとな」

「そ、それは極地宇宙航空研究開発能力値JAXAずらか?」

「そうだよい。俺の極地宇宙航空研究開発能力値JAXAは………電車野郎レールウェイマンと呼んでおこうか……今、思いついたよい……」

 頸木炬燵くびきこたつは蹴りを素早く放つ。脚の先端も車輪になり、高速回転しながら魑魅魍魎の大男ゴーレムの脇腹に食い込む。車輪の高速回転が魑魅魍魎の大男ゴーレムの脇腹を破砕する。

「テニス。こいつの相手は俺がやる。君はあの女子ゴルファーを頼むよい」

「分かったのじゃ……」

 テニスは背中を頸木炬燵くびきこたつに預けてマルチーズと対峙する。


「あなたを屠れたら吾輩は総本山において昇進は間違いないでありますな」

 マルチーズはまたもやゴルフボールをミニスカポケットから取り出して握りしめる。

転移考古学マジシャン!! この世界を作りたもうた先史文明アーキタイプよ。聖女アイアンメイデンの名に殉ずるのを誓う……。聖火を纏う白鳩の突撃警戒網フーリガン!!!」

 ゴルフボールに転移させる。この世界のどこからか火力のエネルギーと白鳩の生命エネルギーの2個をだ。

「子作りをする上で当選した命もあれば、落選した命もあるであります。この白鳩は……落選し魂エネルギー」

 地面に落下するゴルフボールはまだ白鳩に変身していない。マルチーズはゴルフクラブでスイングしてゴルフボールを打ち飛ばす。ゴルフボールは粒粒の弾に分解される。その粒粒の弾は個々が白い鳩へと変身する。そして白い鳩は全身が炎上する。

 無数の炎上する白鳩の軍勢がテニスを包囲し、一斉に襲い掛かる。

極地宇宙航空研究開発能力値JAXA人造惑星再構築ジラマスター中間短期計画番号プロジェクトコード、……事象の地平面イベントホライゾン……マイクロブラックホール!!!」

 テニスは新たに取り出したテニスボールをそのサイズと同等のマイクロブラックホールを再現する。そのマイクロブラックホールの庭球ていきゅうを地面へ向けてテニスラケットで叩きつける。バウンドしたマイクロブラックホールの庭球は上空へと急上昇して襲来してきた白鳩たちを全て吸収して最後は跡形もなく消え去る。

「異星を疑似的に作り出す特異能力……極地宇宙航空研究開発能力値JAXA。何故、山岳地帯航空宇宙防衛司令部 マサデコマのスカウトなんか受けた!!! 貴殿ならばであります!!」

 マルチーズは再度、炎のエネルギーと白い鳩の魂エネルギーをこの場に転移させて組み合わせる。ゴルフボールを依り代にだ。ゴルフボールが魔法の触媒てじなのたねといえば打倒かもしれない。ゴルフボールを打ち飛ばす。ゴルフボールは再度、無数の白い鳩の軍勢と化してテニスに襲い掛かる。テニスは不敵な笑みを浮かべる。

「異界に憧れるあなたがたらしいのう……。時代は宇宙じゃて♪」

 それに対してオッペンハイマーと頸木炬燵くびきこたつは拮抗していた。オッペンハイマーの箒で掃かれた塵芥などのゴミにこの世界のどこからか魂エネルギーだけが転移されてくる。マルチーズは火力と鳥の魂エネルギーをゴルフボールの内部に閉じ込めて合体させる。それがマルチーズの魔法の正体である。オッペンハイマーは自分の掃いたゴミにその魂を転移させることできるのだ。

 魑魅魍魎の大男ゴーレムは大樹のように佇みながら枝のような無数の剛腕を頸木炬燵くびきこたつに叩き込む。頸木炬燵くびきこたつは両手を電車の車輪にしてその剛腕の連打を当て砕いていく。だが、塵芥によって再生していく。

転移考古学者スプリガンは凄いな……。それって儀式や祭事なのかい? 本当にお手軽すぎないかい?」

先史文明アーキタイプは遺跡や遺物、遺書にそれらを全て残した。その末裔たる者があっしら新文明人に継承してくれたんだずら。魑魅魍魎の大男ゴーレム!!!」

 魑魅魍魎の大男ゴーレムは無数の剛腕で前後左右から連打を繰り返す。だが、両手両足を電車の車輪とする頸木炬燵くびきこたつはそれらを車輪の高速回転で巻きこんで潰していく。

「テニスの極地宇宙航空研究開発能力値JAXA人造惑星再構築ジラマスターにおけるブラックホールも天体を再現したにすぎない。しかしお前のそれは? 人造惑星再構築ジラマスターなのか?」

「……さてな……でだ……お嬢さん……ここで……提案だ……1時休戦しないかよい?……俺は新型魔王病アークネイミーを発症した不良をとっ捕まえたいんだ……このままじゃ……逃げられてしまう……」

 オッペンハイマーは真剣な頸木炬燵くびきこたつの眼差しについ見惚れてしまった。魑魅魍魎の大男ゴーレム頸木炬燵くびきこたつを戦わせながら腕を組んで考えこむ。その末に結論に辿り着く。

「了解したずら……。マルっちぃいいいい!!!!! 戦闘やめやめずら!!!」

 オッペンハイマーは魑魅魍魎の大男ゴーレムの制御を停止させる。すると魑魅魍魎の大男ゴーレムは粉々に砕け散って形跡を消す。オッペンハイマーの掛け声にマルチーズは全く気付いていないようだ。オッペンハイマーは溜息をつきながら遠距離から戦闘を見守っていたゴブダークに命じる。

「ゴブダーク様。 くっ殺してあげるずら」

「ごぶぅう!!!」

 合点承知のすけとゴブダークは駆け足でマルチーズの背後に近づいて背中に飛び乗り、マルチーズの耳へと顔を近づけて吐息を吹き付ける。

「くぅうううううう♥ ゴブダーク様ぁ♥ そういうプレイははしたないでありますよ♥」

 急に紅潮させながら戦闘をやめた。テニスは戦闘をやめる気はなかった。マイクロブラックホール化させた庭球で打ち飛ばそうとしたら背後から頸木炬燵くびきこたつが近づいてテニスのスカートをめくる。

「きゃああ!!! 何すんじゃぁあああああ!!!!」

 頸木炬燵くびきこたつはテニスにラケットで成敗されて数メートル吹っ飛ばされる。

 数分後。

 悪路迷路ジャングルジムの狭い路地を歩きながら頸木炬燵くびきこたつたちとマルチーズたちは話す。

「そもそも敵地であるこの山岳地帯モンタニャールにやってきたのかよい?」

 ゴブダークを抱きかかえながらマルチーズは頸木炬燵くびきこたつの問いに回答する。

「魔王ノアの残した秘宝……を手にするためであります……」

「箱舟って何なんじゃ?」

「あんたたちはどうやって極地宇宙航空研究開発能力値JAXAを使えているのか原理は知っているずらよね? そこに関連があるずら」

高次元海水ディラックエテルのことか……。宇宙は全て海中だという仮説を唱えたギリシャの学者だったか……。まず言うがその学者が実在したのかさえ怪しい。架空の学者だと云われているが……」

「それを科学力で再現したのが国際宇宙開発事業公団、山岳地帯航空宇宙防衛司令部 マサデコマ。宇宙には海はないけど、宇宙の成分を超高密度にして縮めこんで再現したんじゃ。それとお前らの箱舟はどういう関連性があるんじゃ?」

「第2次世界大戦の黒幕……魔王ノアについてはあっしら聖仙魔天せいせんまてんの編纂している先史文明アーキタイプの遺跡、遺産、遺書にも記載されていなかった。この世界におけうあらゆる伝説は原本を辿れば、先史文明アーキタイプに流れ着くずら。あっしら聖仙魔天せいせんまてんの信徒……転移考古学者スプリガンはその魔王ノアが乗ってきたといわれる箱舟に興味がわいたずら。あの凶弾事件で亡くなった晴明部阿はるあきらつかさくまはその箱舟のありかを掴んだと本人から連絡があったずら」

「総本山……ドライジブラルタルの聖女様、仙女様、魔女様がたの教祖姉妹がたは大変お悦びなられた。だが……」

 自分たちの宗教の信徒である日本人の銃撃によって命を奪われてしまった。

「それはあなた方の自作自演じゃないでのかのう?」

「それは濡れ衣であります!! 教祖姉妹がたもお前ら山岳地帯航空宇宙防衛司令部 マサデコマの仕業だと思っている。この山岳地帯モンタニャールは世界で唯一高純度の高次元海水ディラックエテルが取集できる地域なのであります」

「言っておくが山岳地帯モンタニャールは日本本土の内陸部だよい。海にひとつも面していないぞ……。ただ……何故か高次元海水ディラックエテルを科学的に再現しやすい土地だ。それについては原因不明だ」

 アトランティスのオリハルコンのような仮説段階の資源でしかなった高次元海水ディラックエテルをこの山岳地帯モンタニャールで再現できた。それから山岳地帯モンタニャールの土を世界中にばらまいて埋めることで、高次元海水ディラックエテルがどこでも再現できるようにした。

「何で箱舟が欲しいんじゃ?」

「お前ら山岳地帯航空宇宙防衛司令部 マサデコマが宇宙開拓、宇宙移民を実現させたいようにあっしらは魔王ノアの故郷であるに興味があるずら。その箱舟は高次元海水ディラックエテルの海を乗り越えてやってきたと云われるずら」

 「高次元海水ディラックエテルの海」。並行世界、異世界、現実世界の間に流れるとされる架空上の海だけの異空間。これも古代ギリシャにいたのか不明の学者の仮説である。

「で? そのヒントになるかもしれないのがもしかしたら俺が追っている新型魔王病アークネイミーの不良のことかもしれないのか? パンデミックなんだ。世界中にわんさかいるだろ? この日本でも山岳地帯モンタニャール以外はそこそこ感染者はいるぞ。ま、狂暴化するのは重症化した人間のみだがな」

 路地を突き抜けて辿り着いた場所は雑居ビルだった。テナントが1社も入っていない。売地のようだ。周囲の住人に訊くと、両目が真っ黒に染まった人間たちが出入りしていると目撃情報が数件あった。恐らく新型魔王病アークネイミーの重症化感染者だろう。

 雑居ビルに足を踏み入れる。ずいぶんと年単位で未使用のためかカビや腐臭などが立ち込めてくる。テニス、マルチーズは不快な顔をする。だが、オッペンハイマーはむしろ喜んでいる。臭いのが好きのようだ。

「鼠の臭い……クモの臭い……ゴキブリの臭い……カビの臭い…腐臭♥ 腐臭♥ すんは♥ すんは♥ すんは♥ ここは楽園♥」

「こらオペペ!! あんたの腐臭フェチはどうでもいいから早く進むでありますよ」

 オッペンハイマーはめちゃくちゃ腐った臭いが大好きらしい。床にへばりついて腐った臭いを思う存分堪能する。しかし相方のマルチーズおろかお供のゴブダークもドン引きしてしまうくらいの暴走変態道っぷりだったのでマルチーズが焼き上げるぞと脅迫するとオッペンハイマーは涙を流しながら我慢する。

「マルっちは何故、この腐臭の素晴らしさが分からないずらか? あっしは下水道とかスラム街とか大好きずら♪」

「異文化は素晴らしいといえばいいのかよい?」

聖仙魔天せいせんまてんらしい……さすがは怪しい宗教団体じゃな……」

「これは違うであります!! オペペが変態なだけであります」

「ごぶ!!」

 オッペンハイマーをなんとか我慢させて雑居ビルの内部を進んでいくと、数人の男どもと出くわす。男どもの誰もが目が瞳はなく真っ黒に染まっている。

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トラベルの鞄は異界と異星でドン詰まり タゴメ @tobutori2311

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