第2話 ここはどこ?私は誰?

んっ。なんだかまぶしい。

もう少し寝させてよ。もうここは死後でしょう?

だから少し、私を自由にさせてよ…。


「ステファニー様!皇太子さまがいらっしゃいました!早く起きてください!」

人の声…?

「ステファニー様!起きてください!」

パチッと目が覚める。

そこにはなんだか見慣れたことがあるような光景。

でも…。


私はこんな場所知らない。

メイドが何人も部屋にいて。

中世ヨーロッパみたいな内装。

とてもじゃないが、死後の世界とはかけ離れすぎている。

それに、ステファニーってどこかで聞いたことがあるような…。


「やっと起きられたのですね…。よかった…。」

私に話しかけてきたのはメイドの一人だった。

自分について話すときに「メアリー」と言っていたから、多分メアリーという名前なのだろう。

「メアリー。ここはどこ?まったく見たことがない世界なんだけど。それに、私の声が高くなっているのよ。何か知っていることがあったら教えてほしいわ。」

おしゃべりなメアリーなら何か教えてくれるかもしれない。

そう思ってしまったのがいけなかった。

「ステファニー様…。あの時のせいで、記憶を失っているんですね…。

すぐにメイド長と旦那様、奥様を呼んでまいります。」

彼女はそう言い残して去っていった。


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