第16話
「……いっ、て……」
橘は、意識を取り戻して、
だが、一瞬で
「………………」
橘の
「……あぁ、ごめんね。まだ、これ、壊されると困るんだ」
だが、ちらりと
「…………元祖の……」
……青年の髪の色は、とても綺麗な金色だった。フリージアから聞いていた、レイドの
能力者は、髪の色によって力の強さが測れ、純粋な色のほうが能力値は高い。さらに、地上に産まれた最初の能力者達は皆、純粋な金色の髪をしていて、能力値も更に高いとされている。
遠くからでも分かる、自分と相手との力の差。橘は無意識に
「………………」
すると、青年が口角を少しだけ、上げた気がした。
「ーーーーあまり警戒しなくても大丈夫だよ。僕は、君を傷つけたい訳じゃない。僕はただ、あの子の能力が復活するのを、待っているだけだから」
「あの子……?」
すると青年は、己の手をそっと樹の
「レイドはこの森を滅ぼそうとしているけど、それでも"これ"は死なないでしょ?森が死んでも、核が残っている限り、"これ"はいつか復活する。確実に
彼の口振りからして、"これ"とは
そして確実に、そのレイドよりも、この青年のほうが遥かに強い。
「……紫苑が飛燕を
「…………そうだね。でも、彼女に力を取り戻させる事が今の僕の目的だから。まだ、それでも構わないよ」
それを聞いて、橘は自分の中に怒りの感情がふつふつと
「……残念だけど、あんたの作戦は失敗する」
ぽつ、ぽつ、と雨が降り始め、次第に強さを増していく。天候をも支配する橘の水を
青年はそれを見ても、なお余裕の笑みで応じた。
「そう。なら、そちらの子と2人でおいで。ーーーーでないと君、死ぬよ」
ひしひしと伝わってくる威圧感。これは決して、
だが、橘はそれを否定した。
「ーーーーいや。僕一人で」
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