第3話 第二の攻防
次の週末の昼。赤ずきんちゃんオタクの狼が、赤ずきんちゃん宅にやってきて、玄関先に立っていました。
狼は、「今度こそ、赤ずきんちゃんと対面するぞ。ハアハア。」と興奮気味に、息を荒くします。
例によって、赤ずきんちゃんの声で、玄関アナウンスが流れてきます。「来客の
方は、所定の場所に片手を置いてください。」
狼は、「了解。」と答えます。
玄関アナウンスは続きます。「枠内に掌が入るように置いてください。」
狼は、「手形かぁ⁉」と叫びます。
狼がブツブツつぶやいていると、玄関アナウンスは、「時間切れです。」と狼に告げます。
その直後、玄関先の底が開き、狼は地下のダストに転落しました。
今度は、地下室に赤ずきんちゃんの声で、アナウンスが流れます。「来客の方は、地下室から地上に出る階段を利用して、地上に出て、初めからやり直してください。」
狼は、地下室アナウンスの指示に素直に従い、再び、赤ずきんちゃん宅の玄関先に立ちます。
再び、玄関アナウンスが流れてきます。「来客の方は、所定の場所に片手を置いてください。」
狼は、「了解。」と答えます。
玄関アナウンスは続きます。「枠内に掌が入るように置いてください。」
それに対して、狼は「こんなことで、くじけるものかぁ。赤ずきんちゃんのおばあさんとは仲良しになり、2人で手形を採ったこともあったのだ。おばあさんとは、もう仲良しなのだよ。」と得意顔でした。
ところが、玄関アナウンスは、「時間切れです。」と狼に告げます。
また、玄関先の底が開き、狼は地下のダストに転落しました。
今度は、地下室に赤ずきんちゃんの声で、アナウンスが流れます。「来客の方は、地下室から地上に出る階段を利用して、地上に出て、初めからやり直してください。」
狼は、地下室アナウンスの指示に素直に従い、再び、赤ずきんちゃん宅の玄関先に立ちます。
またまた、玄関アナウンスが流れてきます。「来客の方は、所定の場所に片手を置い
てください。」
狼は、「了解。」と答えます。
玄関アナウンスは続きます。「枠内に掌が入るように置いてください。」
それに対して、狼は、「了解。」と答え、おばあさんの掌の模造品を枠内に入るように置きながら、「この模造品は、中にゼリーを入れて外側を特殊ポリマーで作ってあるのだ。兄貴に作ってもらったんだ。外側には、おばあさんの指紋、手相なども入っている優れものだぁ。」と得意満面でした。
玄関アナウンスが流れます。「おばあさん、確認。どうぞ、お入りください。」それと同時に、玄関のドアがカチッと音を立てて開きました。
狼は、ドアを開いて、赤ずきんちゃん宅の家の中に入り、スニーカーを脱いで、ソックスのまま上がります。狼は、そのまま、赤ずきんちゃん宅の1階トイレ前に直行します。
また、赤ずきんちゃんの声の屋内アナウンスが流れます。「音声認証をします。ピ
ーという発信音の後に、何か話してください。ピー。」
狼は、録音しておいた赤ずきんちゃんのおばあさんの声を再生した後、「音声認証に代わっているけれど、まあ、いい。おばあさんの声は、抜かりなく準備しておいたものね。」とほくそ笑みました。
それに呼応して、屋内アナウンスが流れます。「おばあさん確認。どうぞ、お入りください。」
狼はトイレのドアを開きながら、「トイレを拝借しよ。」と言い、じょぼじょぼと音を立てながら、勝手に用を足しました。そして、ついでに、赤ずきんちゃんの水着写真を思い浮かべます。白い卵型の顔に長く伸びた手足、軽く赤い髪の毛をかき上げる感じのポーズ、白いビキニは小さく、たわわなパパイヤの先が透けて見えそうで見えないような感じでした。狼は、彼女のそういった姿を思い浮かべながら、トイレで、しました。便器や床に、狼による白濁の液が飛び散るに任せて、「あぁ、すっきりした。さて、ほかの部屋に用はない。直接、赤ずきんちゃんの部屋に行くとするか。」と言います。
ところが、トイレに設置されている屋内インターフォンから赤ずきんちゃんの声が聞こえてきました。「何、人んちのトイレを勝手に使って、汚してんのよ。」
狼は、屋内インターフォンに口をつけるようにしながら、「赤ずきんちゃん、今行くからね。ハアハア。」と言います。
赤ずきんちゃんは、「今、行くからね、じゃあないわよ~‼」と怒ります。
狼は、「だってぇ、・・・。」とつぶやきますが、赤ずきんちゃんは「だっても、くそもあるかぁ。口答えすんな‼」と答えます。
赤ずきんちゃんの部屋では、彼女が何やらPCを操作します。そして、Enterを押すと、トイレの天井から水が噴き出し、白濁の液は押し流され、狼も全身ずぶぬれになってしまいました。
狼は「ヘックション‼赤ずきんちゃん、ひどいよぉ‼」と言いますが、赤ずきんちゃんは、「ようやく綺麗になったぁ。何⁉なんか、文句ある⁉」と強硬です。
ずぶぬれになってしまったので、狼はしぶしぶ、トイレを出てスニーカーを履き、帰っていきました。
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