第11話 バイオレンスアクション
『キィィィィィン!』
こんにちは!赤城勇斗です!
今日も元気にアナザー・ワールドで怪物をぶっ飛ばしております。
そんなバイオレンスアクション芸人な俺ですが、なんと!
彼女が!
出来ましたああああ!
「うおおおお!」
赤い鬼人となった俺は力の限り怪物たちを打ちのめしては塵へと変えている。
「青春だねぇ」
「そりゃあ高校生だからね!」
「その言い方じゃ大学生の俺がおっさんみたいじゃん」
「爛れた性生活を送る大学生なんて大学生だ!」
「アハハ!意味は分からないけど言いたいことは理解できてしまうね」
「この爽やかイケメンめ!何人のおなごを囲っておるのじゃ!」
「のじゃって……昨日一人増えて今は六人だな」
「ぐおお!この野郎!夜もソルジャーかよ!」
「やっぱり意味は分からないんだよなぁ。言いたいことは理解できるけど」
俺と竜也はアナザー・ワールドを盗んだバイクで走り回り、出合った怪物を速攻で塵へと変える変換マシーンと化していた。
怪物側からしたら災害もいいところだろう。
「しかし、ヤツラは人を攫って何をしているんだろうな」
「う~ん……食料?」
「踊り食い?」
「案外個々で食い方が違うのかもしれないよ?ほら、クモとかは糸でぐるぐるに巻いて生気を吸い取ったりとかするかもわからんよ?」
「食べる方向は確定なのか。おっさんだけでお願いしたいね」
「おっさん助けてあげてええ」
「アハハハハ!」
『キィィィィィン!』
「今度はこっちか!」
「切りが無いね!」
俺と竜也はアラートが教える方向へ導かれるようにバイクを走らせる。
「ミンミンミン」
「おわっ!?」
「勇斗!」
突然現れた飛行物体が俺のバイクと激突し、俺はバイクから投げ出される。
【アクティベイト】
【チェンジ・ソルジャー】
バイクに乗りながら器用にカードをデッキに通した竜也はソルジャーへと変身を遂げる。
「ミンミンミン」
「このタイプは初めてだな!そりゃあ!」
バイクに跨がるソルジャー目掛け、セミ怪物が飛行からの体当たりを狙う。
しかしソルジャーはバイクの前輪を浮かせるとその前輪でセミ怪物を叩き落とした!
「おらおらおらおら!」
ソルジャーは地面にひれ伏したセミ怪物をヴォン!ヴォン!とバイクで何度も引き続ける。
「ミン……ミ……ン」
「空を飛べようと叩き落とせばこちらのもの!」
【ソード】
ジャキン!と空から現れ、地面に突き刺さった両刃の剣を片手で引き抜くと新たなカードをデッキに読み込ませる。
【スラッシュ】
「おおおお!斬り裂けええ!」
銀色に光るソルジャーの両刃剣がその輝きを増し、ブオン!と風を切り裂くように振り下ろせば、その剣身から光の刃が放たれる。
ズバン!
力強い音を立て、セミ怪物は真っ二つになると塵へと消える。
「ふぅ……大丈夫か勇斗?」
「いてて……ちょっとスピード出しすぎたかも?」
「それだけ元気なら大丈夫だな」
「まぁね」
俺はセミ怪物のせいで大破したバイクに見を向け肩をすくめてみせる。
「仕方ない。近くのバイク屋探すか」
「そうだね」
俺が後ろに跨がると竜也は苦笑いを浮かべてバイクを走らせた。
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