第6話
ボルゴグラード城内の
戦いもせず騎士団に何の貢献もしていないくせに
しかし、殿下の騎士たちはボルゴグラード城の守備は北方騎士団の責務であり、自分達にも戦うよう求めるのはお
当然この差は埋まるようなものではなかった。
さらにこの不和に
今まで通りお
しかし、それがパトリシア殿下には騎士団が殿下を
ただ、殿下の騎士と北方騎士団が全員いがみあっているわけではない。
北方騎士団の中にも殿下の騎士に対して
前者の
グウェンドリン卿は殿下の騎士たちの中でも
顔をあわせる度に元気よく挨拶をされては
「へぇ、ショルツ卿は竜と戦ったことがあるのですね、すごいなぁ!」
グウェンドリン卿がキラキラと
「まあ、偶然ね…。もうあんな思いは二度としたくないけれど。」
あの赤い、縦に
あの時を思い出して僕は身震いする。
「何を言います、喜び
マルグレット卿が横から
「えっ! ショルツ卿は竜退治をしたのですか!」
グウェンドリン卿の目がこの上ないほどに光を放った。憧れの視線に僕は後ろめたさを覚える。
あの時は手柄を立てればこの北方騎士団からおさらばしてどこかの大貴族の騎士団に迎えられると思っていたから……。
結局は副団長に目をつけられてあの手この手でこの北方騎士団に縛り付けられる
「それより、マルグレット卿は矢一発でキメラを討伐したことがありますよ。あそこのマルグレット卿にその時の話を聞けば喜んで話をしてくれるでしょう。」
隣の席でマルグレット卿がワインを吹き出した。余計なことを
グウェンドリン卿は
グウェンドリン卿がいなくなってようやく一息つけた僕はそっと殿下の騎士たちのほうを
殿下の騎士たちはグウェンドリン卿の振る舞いにどこか
思った通りだ。いくらグウェンドリン卿が
特に僕は初日の宴の後に
いつか、必ずこの
ことは昼間僕が城の
「これはこれはショルツ卿。今日も田舎騎士らしく草いじりですか。」
背後から
菜園のそばにあのオルドラン卿が立っていた。あの宴の後の夜、僕と
「これはオルドラン卿。先日は失礼をいたしました。暗殺者の存在につい興奮していたもので騎士としてあるまじき言葉を
内心は嫌だったけれど、僕はオルドラン卿の顔を立てることにした。これ以上
「まったくその通りだ、ショルツ卿。貴様が私の足を引っ張らなければ私はあの暗殺者を捕らえ
ふざけるな、それはこっちの
「まあその話は今はいい。私が今伝えておきたいのは、だ。貴様、二度とグウェンドリン卿に近づくな。」
やはり、僕とグウェンドリン卿が仲良くするのは殿下の騎士にとって
残念だけれど、グウェンドリン卿。竜退治の話は聞かせてあげれそうにない。
僕は心の中でグウェンドリン卿に謝った。
「そもそも王家の
貴様が竜を退治したなどと
どうやらグウェンドリン卿は
グウェンドリン卿は殿下の騎士たちの中でも特別な立場にあるのだろう。
「はっ、申し訳ございません。グウェンドリン卿には今後近づかないようにいたします。」
まあ、あまり僕には関係のないことだ。これからは僕がグウェンドリン卿との会話を
これで、話は終わるはずだった。
「ショルツ卿、今何をなさっているのです!」
思わず
なんとかしてグウェンドリン卿を言いくるめなければいけない。
僕がそう考えてグウェンドリン卿に向き直ろうとした時だった。
「オルドランではないか、今朝ぶりだな。」
僕は一瞬
「そこの騎士、顔を上げよ。名を何という。」
菜園からほど近い城の廊下に鎧を身に
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