第10話 欠けたもの

学校の帰り、1人になった頃。

俺はひとつ考え事をした。

(ココ最近、人が死んでないな。まぁいい事なんだけど、これまでに比べると明らかに人が死んでいない。なんか大きな事件でも計画している人がいるんじゃないか?)

不謹慎ながらもそんなことを考えていた。

恥ずかしい妄想だ。

誰が死んだというニュース見ても正直なんとも思わなかったし、周りは誰も死んで無いから言えることなんだろう。

夏は過ぎてもまだ暑い。蝉もちょっと鳴っている。

この季節が1番好きかもしれない。

さすがに考えることが無くなってきたの

でイヤフォンを付ける。


家に着いた。

親はまだ帰ってない。

うちは別に親が特別でも無いので、ちょっとしたら親はもう帰ってくる。

俺は2階の自室に入り、Twitterを弄る。

優しい皆が広める「行方不明者のツイート」リツイートといいねだけしてスクロールする。

本当にやることが無いのだ。

ずっとこんな日常だ。


でどんな世界線だろうと……

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