第9話 9月15日 木曜日

朝起きた。

夢は見なかったな。

今回の時間は余裕なので、慌てずに下に降り朝ごはんを食べる。

「おはよう」

「おはよう」

眠くて顔を合わせてないが母と挨拶を済ます。

「今日は目玉焼きね」

「うん、醤油とマヨネーズ取って」

醤油、マヨネーズの順で受け取ると、目玉焼きにかけ、白米と共に食べる。

早朝の番組「SHIP!」の特集を見て朝を過ごす。

特集が終わり、ニュースが始まる頃には食べ終わり、上に上がり準備をした。

準備が終わると再び下に降り歯磨きを済ませ、外へ出る。

朝系の曲を聴きながら、学校へ歩く。


教室に無言で入り、椅子に座る。

まだまだ眠いので寝ようと伏せる。



「着席してー!」

気づけばHRだ。

ちょっと夢を見た気がするが覚えてない。

HRが終わると、りのが顔を出してきた。

りのは違うクラスだが、中学生から一緒の仲のため、クラスが違ってもよく話した。

「国語の教科書貸してー」

「おっけー」

俺は鞄の中から国語の教科書を出すとりのに渡した。

「そういえば国語苦手だったよね?分かる?」

「……いや」

「おっけー今度、RAINで教える。」

「直接は教えないの?」

「………女子に教えてるとこ、なんか見られたくない」

「えーー」

りのはそう言いながら、隣の教室に戻って行った。多分ちょっと時間が無いんだろう。

つまり俺も時間が無いわけで……

『キーンコーンカーンコーン』

「あ」

俺は急いで席に戻り、数学の教科書を出す。

また憂鬱な一日が始まるのだ。


りの……?


今までに無い既視感を感じた。

(まぁいっか!夢にでも出てきたんだろう)


すぐに忘れた。



沢山の世界……

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