第6話 記録

「うーん…」

起きると、列車の1番後ろで横たわっていた。

僕はあの後寝てしまったらしく、起こさないように静かな後ろに運ばれたのだろう。

時計は無いのでどれくらい寝てたかは分からない。

ルフエルとリノエルのところに行こうと立ち上がって歩く。

『キリキリ』

静かなだっけあって謎の金属音が目立つ。

しばらく綺麗な車内を見ながら歩いた。

「なんだこれ」

すると1冊の手帳が見えた。

「「乗客履歴と死因記録-創夜2564169」?」

開いてみると、1ページ1人ずつ記録が書かれていた。

────────────────────

世界:西崎創夜が工場現場で死ぬ世界-2564169

2020年1月12日 日曜日

高橋拓 本来の死因 雪崩による凍死。

2020年6月9日 火曜日

山岸明 本来の死因 交通事故による出血死。

2021年 11月17日 水曜日

佐々木彩乃 本来の死因 食中毒による毒死

──────────────────── 様々な人とその死因が記録されていた。

しかしなぜ世界の名前が「西崎創夜が工場現場で死ぬ世界-2564169」なのか、この手帳は僕とどう関係しているのか。

手帳の右下に小さく名前が書いてあった。“リノエル”

『ガン!!!ガタ!!』

運転席の方で大きな音がした。

手帳を放り投げ、急いで運転席へ向かう。


「やめてーー!!」

運転席の方に行くと死神らしきものが扉を開けようとしていた。

「ルフエル!」

「創夜君はこっち来ないでー!!」

ルフエルは叫んだ。

逃げるべきか!?本当にいいのか!?

と躊躇しながらも死神がこっを向いたので逃げることにした。


でも、2車両目はもう無くなっていた。

何かないかとまたルフエルの方を向くと、泣きそうになりながら、こっちを走ってくるリノエルが見えた時には…


僕は死神に列車から落とされていた。

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