第2話 2人の天使

「こ…ここはどこ?ですか?」

とてつもない緊張の中僕は口を開いた。

「ここは時空の狭間。このままでは死ぬ運命だった君を救いに来た。さ、乗って!詳しいことは中で!」

青色の瞳の少女は中に入るよう手を振りながら言った。

「????」

夢ではないかと自分の顔を叩く。

「痛いな…」

痛覚があるうえに、はっきりと目の前が見えることも確認し、現実だと意識する。

「早く!」

青色の瞳の少女が急かす。

何を急いでいるのかと思っていたら地面が消えかかっていた。

急いで列車に乗ったら直ぐに扉が閉じた。

「うわ!」

直ぐに扉がしまったので青色の瞳の少女は列車の上に乗っているのかと思ったら目の前にいたので驚いた。

「私の名前はルフエル!これからあなたの死ぬ運命の世界から生きている運命の世界まで案内します!」

青色の瞳の少女は当然のように元気そうに言ったが自分にはよく分からない。

「エルってことは天使…?死ぬ運命?」

「天使ですねー、あともう1人天使がいるから、まずは行こうか、私、説明下手だし…」

僕は元気そうな「ルフエル」に着いて歩く、車内はとにかく綺麗で幻想的だった。全体的に爽やかな水色でなんの音なのかずっと「キリキリ」鳴っていた。

正直夢ならば覚めないで欲しいものだと思ってしまった。それぐらい既に神秘的だった。

「ほら自己紹介しよ!」

「どうも…リノエルです。この列車の運転を、やっています。よろしく創夜君」

「よ、よろしく…」

リノエルと言う天使も翼が付いていたがルフエルとは違って落ち着いた雰囲気で、緑の目で右目にレンズをつけていた。でも髪型は一緒だった。

「それで、この列車はなんなんですか?」

「この列車は私たちが作った、時空を飛び、死ぬ運命の人間を生きている世界線に連れていく列車よ。時空といういわゆる「4次元」とも言える場所を飛ぶことができるわ。これで無量大数なんかじゃ測れない数の並行世界であなたの生きている世界線まで飛ぶことになるわ」

リノエルがゆっくり説明してくれた。でも分からないけど…

「本当はこんな風に自己紹介とかしないんだけどね…」

ルフエルが申し訳なさそうに言った。

「どういうこと?」

リノエルは無口になって謎の光の集合体を触り始めた。

そっとルフエルが口を開く。

「いやぁ…あなたの運がね相当悪くてあなたが生きている並行世界がなかなか見つからなくて….ようやく見つけたところはここから丸3週間はかかるっていう…」

「え?」

この列車の中だけで3週間?

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