第41話 見つけた!?
私は気がつけば腕立て伏せを1000回、腹筋を1000回、逆立ち腕立てを1000回と、柔軟スクラッチを異世界で私に体術を教えてくれた師匠の教え通りの回数を3セットこなしていた…… タカフミさんがやって来るまで……
2時間で3セットをこなしたのは自己記録更新だなと思いながら、タカフミさんを出迎えに行く。
そして、その夜はタカフミさんと2人で宴会をしてしまった…… 私に乗せられたタカフミさんもしこたま酔って、弥生との惚気話を聞かされたのには閉口したが、それでも楽しい時間を過ごした。
そして、深夜…… 不意に目覚めた私はテレビを点けた。そして深夜番組にて深野涼子さんの娘さんを遂に見つけたのだ!!
「
ちょっとチャラ男っぽい男性司会者にそう言われると、
「もう〜、私が可愛いのは当たり前です〜」
と、もしも同性が見ても気分を害さない様な雰囲気と言い方で答えるアオイちゃん。この娘こそ深野さんの娘さんに違いない。だが、何故かヒヤマさんにもソックリなんだが…… ヒヤマさんが眼鏡を外して同じ髪型にしたら双子と言っても大丈夫なぐらい似ているぞ。
番組終わりに出る出演者の名前を見ると
おう、私は既に深野涼子さんの娘さんに出会っていたのか! 明日、いや既に今日か。今日、タカフミさんに聞いてみよう。恐らく弥生は分かっていて私に教えてくれなかったのだろうから、タカフミさんに聞く方が確実だろう。
私は翌朝、二日酔いになっていたので回復魔法で治した。恐らくタカフミさんもだろうと思い、勝手口に向かうと弥生の声が聞こえた。
「もう、いい年して二日酔いになるなんて! 飲みすぎよ、タカさん!」
ああ、コレは悪い事をしてしまった。せめて弥生が来る前にコッチに来て治してあげていれば良かったな。
私はそう思いながら勝手口の扉をノックした。
「おはよう、弥生。開けてもいいかな?」
私がノックの後にそう声をかけると弥生が扉を開けてくれた。その目は冷たい。
「タケ
「いや、悪いな。つい盛り上がってしまって。それで、タカフミさんの二日酔いを治そうと思うんだが、構わないかな?」
私が謝りながらそう言うと弥生は素直に家に入れてくれた。
私は頭を抱えたタカフミさんに回復魔法をかけて二日酔いを治してあげた。
「おおおっ!! 快調です! 有難うございます! タケフミさん!」
二日酔いが治った途端にテンションが爆上がりしたタカフミさん。それを見ていた弥生が釘をさした。
「タカさん、これで飲みすぎた時はタケ
「ギっ、ギクーッ!?」
私は口で言う人を初めて見たよ。まあ、夫婦仲が良いのはいい事だよ。私は2人にそう言ってパスポート申請に行ってくるよと伝えた。
弥生が居るからヒヤマさんの事は後で聞こうと思ったのだ。そしたら、弥生が待ったをかけてきた。
「タケ
なんと仕事の依頼だったよ。
「分かった。だけど、コッチに来て何の仕事をするんだい?」
私はランドールの仕事内容を聞いてみた。
「フフフ、1日署長よ。私も一緒だけどね」
「おお、そうなんだな。それじゃ、弥生もシッカリと守るから安心してくれ!」
「タケ
そして私はパスポート申請に向かい、そのままケーキ屋さんに寄ってケーキを購入してから、事務所に向かった。
中に入ると真理ちゃんがまた笑顔で出迎えてくれた。
「タケフミさん、社長がお待ちですよ」
良かった、途中でマインで連絡を入れておいたのでタカフミさんは待っててくれたようだ。弥生は1日署長の件で打合せに向かってるそうだから、今がチャンスだ。
「有難う、真理ちゃん。これ、皆で食べてね」
私はケーキを真理ちゃんに手渡し、有難うございますの声に手を振りながら社長室に向かった。ノックをして返事があったので中に入った。
「タケフミさん、聞きたい事があるそうですが何でしょうか?」
「はい、実は深夜テレビで深野涼子さんの娘さんと思われる娘を見かけたんですが、
私は先ずはそう聞いてみた。
「あ、やっぱり分かりましたか? 深野さんにソックリでしょう? でも名字が違うからテレビマンには気づかれて無いんですよ」
やっぱりアオイちゃんがそうだったのか。ならばもう一つの質問にも答えて貰おう。
「もう一つ聞きたいんですが、ランドールのマネジャーをしてるヒヤマさんも、もしかして?」
私がそう聞くとタカフミさんは不思議そうな顔をしてこう言った。
「アレ? 弥生から聞いてませんでした? 弥生は伝えたって僕に言ってたんですが……」
やはりそうか。弥生の事だから私がそうと知ったら
「いえ、多分、私もなれない仕事で緊張していて、聞き逃したんでしょう。弥生は悪くないですよ」
私は取り敢えずタカフミさんにはそうフォローしておいた。
けれども、コレで深野さんの娘さんを、それも2人も見つける事が出来たな。よし、アオイちゃんは密かに推しにしておこう。
私は心にそう誓ったのだった。
そして、明けて翌日。ランドールの2人とヒヤマさんがやって来た。
「オジサン、来たよー」
「タケフミさん、よろしくねー」
思えばナミちゃんも随分とくだけて話をしてくれるようになったな。相変わらずのオジサン呼びだが、私がオジサンなのは事実なので気にはならない。
「先日はお世話になりました。本日もよろしくお願いします」
出会った時のハイテンションと違い、ヒヤマさんはプロのマネジャーとして挨拶をしてきたので、私もそれに応えた。
「はい、3人が何事もなく無事に事件が解決して良かったです。私は実質、何もしてないのですが…… 今日はシッカリとガードしますね」
私の返事を聞いてニコッと微笑みヒヤマさんがお願いしますと頭を再度下げた。
そして、地元の警察署に向かったのだが、そこには当然のようにタケシが待っていた……
お前、仕事しろよ……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます