第23話 デート?
「んー食った食った…さてとネカフェで寝るっすかね」
商業施設をでたのはもう10時頃だった、俺たちはあの後適当に菓子類を買い込んだ
昼間にいたネカフェの二人部屋を借り俺は毛布にくるまり横になった、紫乃はヘッドホンをつけて動画を見出した
「寝なくて大丈夫か?」
「あ、ボク超ショートスリーパーなんで二時間寝れば大丈夫っす」
「そうか…おやすみ」
俺は目を閉じた___
のだが…その十分後、目が覚めた
足音がする、4人だ。店員ではない、少しだが全員から金属音が含まれている
「慎吾さん」
「紫乃、銃を。できるだけ静かに切り抜ける、絶対に離れるな」
俺は拳銃と杖を取り出し紫乃に認識阻害をかける、店内で騒動を起こせば警察がくる
それだけは避けなければ
俺は少しだけ扉を開けてあたりを確認する、ネットカフェの店員は俺を学生の誰かくらいにしか認識しておらず本来ならば追い返すところを認識阻害により普通に受付をした。スキルや魔法を持たない者は認識阻害を強く受けるがスキルがある者は顔を見たことがあると聞かない
拳銃を隠しながら俺たちは外に出た、曲がり角にきた俺は一人の見張りの首を絞め気絶させた
「葉桜の生徒会…!」
見張りは口元はガスマスクで覆いタクティカルベストとインカム、そしてサブマシンガンと催涙スプレーと拳銃を装備している
ベストにはデカデカと葉桜高校の校章バッジが取り付けられている、俺は何か情報を得ようと探っていると右側から二人組が現れた
一人はスタンロッドを構え俺に殴りかかったが防ぐ、もう一人を紫乃は静かに頭部にゴム弾を当てることで気絶させたが倒れた時にサブマシンガンのグリップがブースを区切る壁に刺さり大きな音を出した
「しまった、くそ!紫乃逃げるぞ!」
「はいっす!」
俺はサブマシンガンを広いマガジンを確認する、口径はわからないがゴム弾であることは確かだ
紫乃を先に行かせ俺はサブマシンガンを用い牽制しつつ店の入り口から脱出した、行き先はまだ決まっておらず俺たちはとりあえず路地裏を走り抜ける
葉桜町は商業ビルなどが多数あり桜市のビジネスの心臓部と言われている、その分路地裏があるため上手く逃げれると思ったのだが
「クソっ!!多すぎるだろ!」
角から次々に追手が増える、場所がバレている?
俺は一人の鳩尾を蹴り落ちていた小さい瓶をなげる、紫乃は俺に合わせて身を動かしつかず離れずの距離で拳銃による援護射撃を行なっている
アーチャーのスキルは拳銃でも発動できるようで一撃必殺__殺してはいないが__で倒している、アイテムボックスからコーラを取り出しバットのように振り回し奴らの顔面を殴る
機を伺い俺は蓋を外して溢れ出た炭酸で奴らを牽制する、俺は自分の拳銃の弾を紫乃に渡す。一度ここから逃げ出すには……
銃弾を倒した生徒会を盾にすることで防ぎ少しずつ引き、アイテムボックスからアサシンのナイフを取り出しシャドウゲートを開いた
脇に紫乃を抱えて俺はそのゲートに飛び込んだ、シャドウゲートはナイフがなければ影の世界に取り残されるので俺かナイフを掴まなければならない
そしてそのシャドウゲートの先は____
ラブホテルだった、入口に向けて意思を持たないリアルな人形を作り出すスキルであるドッペルを使い俺は桜港へと走らせた
ボタンで選択するタイプの店なので俺は適当な部屋を選択しエレベーターに飛び乗った
桜市は子供が多いため学生たちの”そう言う事”がよく起きていた、故にラブホテルは全てボタン形式で廊下ですれ違う大人たちは青春だなあという顔で多めに見ている。もっとも大抵は次はないだろうなと言う哀れみが多いが
「疲れた……」
「ひい…ひい…やっぱボク近接は向いてないっすね…」
紫乃はベッドに横になりながら項垂れる、ソードマンとガーディアンは魔法とスキルを組み合わせ、メイジとエンチャンターは魔法のみ、アーチャーとサムライ、アサシンはスキルのみが使える
その中でアーチャーはアサシンと違い近接戦闘用のスキルを持っていないためかなりキツかっただろう
「だな…今度スキルを買ってみるか」
玲ならばバイヤーについて知っているだろうしツテはあるだろう、俺はサブマシンガンのマガジンを抜いて弾薬をチェックすることにした
弾は拳銃と同じ9ミリ弾、マガジンから弾を抜き出し拳銃のマガジンに込める
「じゃボク、シャワー浴びるんで」
「あーい」
何も言わなかった、壁が透明だから見るなよとは。なんか言ったらえっちな雰囲気なるとわかっていたから
「しっかしどこから見られたんだ……」
あの入り組んだ場所じゃアーチャーの千里眼でも特定は難しい、監視カメラに見られた様子もないし使い魔も魔力は探知できていない
「あまり時間はかけられないな……夕方の5時が一番少ないし、そこで終わらせるか」
「あがったっすー」
紫乃から共有してもらった警備の交代の時間を見ていると風呂からあがったばかりの紫乃の声で気が付いた
「明日は学校休むかぁ」
「じゃあ、サクラミナト行きたいっす」
桜港の近くにある商業施設、俺の家の近くにあるショッピングモールが学生向けならばこちらは大人向けで、ブランド店や高価な物がある
「サクラミナトで時間潰して作戦を開始するか___
朝日がカーテンから零れ床を汚す、そして段々とベッドに手を伸ばし俺の顔に当たった
隣には紫乃が眠り俺がくるまっていた掛け布団を取っていた。首を鳴らしてスマホを操作する、時間は6時23分
ルームサービスの描かれたチラシを見ながら俺はあくびをもらす
「テレビつけてもAVしか流れてないしなぁ……お、ハニートーストあるじゃん」
紫乃は八時ころに起きた、ショートスリーパーとか言ってた癖にとは言わなかった
そして朝飯で俺はハニートーストにバニラソフトクリーム、フルーツトッピング、紫乃はオムライスを頼んだ
「何でラブホの方がおしゃれで美味しいんすかね」
「さあ……」
味はまあ、美味しい。ただ朝っぱらから生クリーム大量に摂取して胃がいたい
そんなこんなで俺たちはサクラミナトへと向かった____
「うおー!限定のシュバルツのポスターっす!」
サクラミナトの海外ゲームグッズの販売店で俺たちは楽しんでいた、薄暗く狭い店内では通販でもなかなか手に入らないFPSゲームのキャラクターのデフォルメされたフルフェイスヘルメット型貯金箱やらレトロ風ポスターなどが飾られている
「いいな…」
「いいっすね…」
今回は買わないが、すごく満足感が…
俺たちは我慢ができるうちに店から出た、紫乃は財布からクレジットカードを出して買う寸前まで行っていたが
そして次にゲーセンにきた、客は少なく幾つも並べられたクレーンゲームのコーナーには2、3組ほどのカップルと四人の大学生が1組だけいる
紫乃についていき音ゲーコーナーへと向かい彼女のプレイを見ることにした、音ゲーは得意じゃない
しかし上手いか下手かどうかくらいはわかる、画面をタップするタイプの音ゲーに向かった彼女はイヤホンを取り出し接続しコインを投入した
プレイ見せたいくせに音聞かせないのかよ…と思いつつ選んだ曲は有名なゲームのテーマ曲なのでなんとなくわかり脳内で流しながら手元を見る、素早く、しかし的確にノーツをタップし左右へのスライド、連打、動くノーツなどにも対応しフルコンボを叩き出した
すげえと彼女を称賛しつつ俺はエナジードリンクのクレーンゲームをプレイし5本ゲットし彼女に一本渡した
「あんまりゲーセンには来ないんで楽しいっすね!」
「だな」
そんな会話をしながら、俺たちは時間をまった_____
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます