第18話 集会
校舎裏で俺は数人の野球部員に囲われていた
「おめえ、いなくなって直ぐに俺らの敵に回るたあいい度胸だな?」
「しりませんよ、そろそろ授業が始まるで帰っていいっすか?」
王坂は鉄パイプでカンカンと校舎の壁を叩く、面倒くさいので帰ろうとしたのだが俺の首元に鉄パイプを当ててそれを止める
「調子乗るなよ?」
奴はそれを振りかぶると一気に加速した、コレは……スキルか
「パワースラッシュ!!」
王坂の声でスキルの正体が判明した、パワースラッシュは剣用のスキルでスラッシュと言う直径50センチの木樽を両断できる一撃を放つスキルの進化系だ
サムライはこれの別の進化であるクリティカルスラッシュを極めて七転抜刀を生み出した、一撃必殺のクリティカルスラッシュ、連撃のスピードスラッシュ、そしてこの岩すら砕く文字通りの強力なパワースラッシュのどれかを剣を扱う者は皆持っていた
「甘いな、腰が引けている。」
俺は一つの鉄の板でそれを防いだ、その鉄の板は段々とその姿を現し40センチ程の盾となった
七英雄の一人、鉄壁のディフェンスを誇り全ての攻撃を防いだガーディアンの武器である久遠の盾だ
「な!?どこからそんな物を出しやがった!」
「教えてやる義理はないぜ」
余裕しゃくしゃくと言う感じに盾で行き場を失い空で止まっていた鉄パイプを軽くコンコンと叩いてやる
「くそ!」
奴は鉄パイプをめちゃくちゃに斬りかかる、最初は避けていたのだが段々と馬鹿らしくなり避けるのを辞めた
するとそれを好機とばかりにパワースラッシュを三連続で浴びせてきた、本来なら岩すらも砕くこの一撃、人が喰らえば運が良ければ骨も内蔵も潰されて即死、だが骨が折れるどころか俺に傷一つ付かない。コレはガーディアンのバリアブルシールドと言うスキルだ
体外に魔力のシールドを貼りソレが絶えない限り無限に続く、本来ならば一分程度が限界なのだがメイジの高度魔力吸収により5分にそれは引き延ばされている
王坂は三連続のパワースラッシュにより右腕を痛めているようだスキルは使いすぎると体に強い負荷がかかる、パワースラッシュなんかは威力を上げるために腕の筋肉のリミッターを一時的に解除しているために余計に腕の負荷は強い
「それ以上はやめとけ」
「うるせえ!」
俺の忠告を無視した奴はいったん引きべこべこに折れ曲がった鉄パイプを捨てた、すると後ろにいた後輩たちやらが一気に俺に襲い掛かってきた
それぞれの手には短いシャーペンの様な杖が握られている、コイツ等は魔法を使うのか
フレイムボールとフレイムランスが一斉に襲い掛かる
「喰らえ、ファング」
盾で地面を叩くと影が意思を持って動き出し飛び出し黒いシャチの様な姿で全ての魔法を喰らいつくした、ガーディアンが契約した魔獣である影ファング
影に巣食うこの魔獣は魔法を食べる事ができガーディアンの弱点である魔法を克服する要員の一つである、火属性の魔法が好きなため上機嫌そうだ
「魔力がもったいないな」
俺はそう言うと手近な相手の顔面を殴った、厚さ15センチ、重さ6㎏の鉄の板で顔面を殴ると当然脳震盪を起こすか顔面が陥没する。だが相手は気絶しただけだ
ガーディアンのスキルである軽量化により盾を持っている俺の体重は10㎏、そして盾は1㎏になる。そして盾にバリアブルシールドがランクダウンした急所を防ぐための対象の一部にバリアを貼るネックシールドを二重に貼り魔力による衝撃波で相手を気絶させたのだ
俺は五分とたたず全員を倒し教室へと戻って行ったのだが
学校でのその後は散々だった、様々な生徒たちに質問攻めにされたのだった
なんやかんやでその後はアナーキーたちであろう連中が時折俺の教室にきたので全員潰した、授業が終わるころには14人程倒した
「今日は出かけるから先に帰っててくれ」
「はーい」
三人と別れ俺は古びたライブハウスへと入った、ここはバンディットのアジトとして使っているらしい
壁は防音壁で重苦しいが天井の板が外れ配線やらが見える、15人程が適当なパイプ椅子に座り集会が始まる時間を待っている。
まったく面識のない人の隣に座りたくはないので壁際に座ろうと思ったのだが一人が手を挙げて手招きしていた
「ニイザキ先輩、ちわっす」
「ああ、あの時のヤンキー」
「ヤンキーって……一年八組の神谷亮太っす」
パイプ椅子に腰をかけたところでステージ上のライトがついた、そこには玲ともう一人あまりにもにすぎている男がいた
「双子だったのか……」
コンコンとマイクを叩いた玲に皆が注目する
「あー、お前ら、ここ最近のブレインズの動きやアナーキーの暴れっぷりは知っているな?バイヤーと強いコネを持ってる奴らはスキルだけでなく魔法や武器の供給がコチラよりも凄まじい上に人員も潤沢だ、最悪の場合反社会的勢力との関係もあるかもしれない」
スキルには武器がなければ発動できないものが多く、シャドウゲートはナイフ、パワースラッシュは剣などがなければいけない
木の枝などでも発動できるが、普通の剣をもった方が物理攻撃もできるしあまりメリットはない、王坂が鉄パイプを持っていたのもこのためだろう
「俺らはバックに資金提供があるからそれなりにスキルやらは購入できる、しかし人数が少ない。そこで俺は最終兵器としてコイツを入れた、新崎こっちこい」
玲に促されるままに俺はステージ上に上がった
「コイツは新崎、氷の姫君とイチスト太郎のハーレムか二ヶ月間行方不明になったといえばわかるだろう。スキルが50、魔法がほぼすべて使えるそうだ、その証拠に今日だけでアナーキーの連中を十四人も潰した」
「どうもっす」
俺は軽く頭を下げて挨拶をした、その時がんっと鉄パイプが地面に叩きつけられ視線はそこへと向けられた
「お前、前にマーケットにいたよな?ブレインズのスパイって可能性もないのか?奴らは金とコネは多い、スキルや魔法が潤沢な奴をスパイとして俺たちに送り込んだって可能性もあるぜ?」
髪を緑に染めた男がステージに近づいてくる
バンディットの戦況は一進一退だ、人員も装備も劣るなか少数でこの状況を耐えている、そんな中に力を持つものが入れば当然怪しまれるだろう
「……俺は、奴らにバイクを奪われた。マーケットにそれがあると聞いて調査をしていただけだ、信じて俺をバンディットに加入させてくれるなら武器の提供と俺の力を提供しよう」
アイテムボックスを開き鉄製の槍、長剣、片手剣、ナイフ、刀、杖、盾、メイスなどを取り出した。メイジの最大の魔法であるリペイントは多くの武器をしようする
纏を周囲にある武器全てに適用し乱舞させる、聖剣や無斬だけでなく焔のような能力がついている武器にはこれが適用されないため普通の鉄の武器を大量買いしていたのが幸いした
「これは……奴らに負けず劣らずの武器が手に入ったな……」
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