第10話 繋がる点と線、激戦の銃撃戦
私は無斬を携えながら走る、目の前に現れたモンスターを通り過ぎるのと同時に斬撃を飛ばし倒す
サムライを引き継いだためか両手両足、全ての動かし方が理解でき脳で考えるよりも先に体が動きモンスター達は私の動きについてこれていない。慎吾君とヴォルザちゃんに言われてマスクをつけてエクステを外し身元をバレないようにする
空を飛ぶワイバーンとよばれるプテラノドンの様な竜に向けて私は跳躍し空間を斬り飛ばし頭上に移動しその瞬間に衝撃波で切り落とした
地面に落ちるワイバーンを足蹴にもう一度跳躍し二階に上がった、すると眼前に黒い靄の様な物が現れた。マズイと勘が訴えかけ私は後方に跳躍し刀を構える
すると刃を何かが掠る、次いで襲い掛かるその何かを刃で防ぎ続けソレが弾丸であると理解した私は柱の陰に隠れた
「アルファ隊、スキル持ちの人間と接敵!ベータ隊は他のスキル持ちに警戒しろ!!」
隊、そして銃、スキルに関して知っている……コレが軍かテロリストかはわからないが明らかに異常な集団だ。
「売人ってやつ……?」
話に聞いたスキルオーブとやらを売っている者の関係者だろうか、判断材料が足りないし慎吾君かヴォルザちゃんにしかわからない。
点が増えていく最中、足元に筒状の何かが転がってきた。瞬間、爆発
閃光より先に脳みそが動いた、これを無斬で放出しなければダメージを喰らう。だがこの威力を放てば今壁にしている柱は破壊される
だが判断しなければならない、刀に爆風を吸わせ放出した
本来の無斬は細い糸の様な衝撃波を放つのだが爆発の様な強力なエネルギーはソレが難しい
「クソッレベル3相当のスキルだ!!」
「攻撃止め!!スキル所持者に通達する、我々はパノプティコン第一戦闘探索隊!!貴殿の購入したバイヤーの関係者だ!!武装解除及び投降を推奨する!!IDがなければ攻撃目標として鎮圧及び殺害を許可されている!!」
パノプティコン?バイヤー?殺害の許可?!もう何が何だかわかりやしない、刀に手をかけて攻撃の機会を伺う
「投降の意思はないと判断した!スキル利用規約違反として処罰する!!」
伺ってるうちに銃撃が始まる、もう壁もない。刀を使い弾丸を切り落とし接近し衝撃波で無力化する
持っていた銃を奪い取り片手で連射、正確な射撃こそできなかったが反動で上を向いて天井に弾が当たり埃と破片をまき散らす。一瞬だけ銃撃が止みそれに乗じて数人の銃を切断、だがその瞬間に背後から小さな何かが映った
「ぐっ!」
背中に小さい鉄球が数発当たり痛みに声を漏らす、確かショットガンと言う銃の散弾だ。同じ事務所にミリタリー解説してるおじさんがいて長話に付き合わされたのを思い出す
解説系は自分の話を優先する人の方が向いてるんだな何てふざけた事が思いつく、だがそれと同時に煙の中から重装備の防護服を着こみ銃と盾を持った者が現れた
銃の先端を握り回転させると散弾ではない普通の弾が射出された、ショットガンからマシンガンへと変わり背中に背負ったバックパックから次々に給弾され絶え間ない連射が私を襲う
当たりそうな弾を見極め必要最低限の動きで弾を捌き切るが弾丸の衝撃に耐えきれず無斬を落としてしまった
「カタストロフィ!!」
くぐもった声が響くと背後に気配を感じ振り返る間もなく電流が体を走り意識を手放した_____
「クソッ!!なんなんだ!!化物すぎるだろ!!」
一人の男がライフルを上下左右、前後ろに必死になって向ける。
男は熱のこもったマスクを外し必死に呼吸をする、震える手から何とか銃を落とさないように痛いほど握りしめて
「スキル売ったのははガキだけなんだろ……なんであんなにひっ!!??」
コツンと背後から地面に何かが当たる音が聞こえ振り返るも何もない
「隊長の所に戻れば……!!」
だがそれは叶わない、何かが起きて男は倒れた。ソレがなにか理解もできぬまま倒れ意識を失う
「隊長ねえ……悪いがコレはいただくぞ」
俺の声が聞こえたか知らないが物を借りる時は一言断ることはマナーだからな
「銃本体は普通そうだな……鑑定」
『NMGシリーズ01 Mーライフル 日本の製薬会社『カテドラル』の私兵部隊『パノプティコン』に配備される魔力によって射出するライフル。魔力によるスキルの発動や開発ガジェットの使用が可能』
鑑定はハッキング的な能力があり、ザアナでは世界樹に刻まれた情報を俺に見せるのだがコチラの世界だとネットやサーバーに保存された情報を読むことができるようだ
「クソッ、余計な物を作りやがって……」
ライフルからマガジンを抜き取り弾薬を鑑定する
『7.62ml絶縁弾 魔力の流れを断つ断魔鉄を使用した銃弾、魔法防御に対し絶大な効果を示す』
俺はライフルとハンドガン、そしてマガジンを頂戴しダンジョンの核を探すことにした
「ハンドガンは術式が込められていて杖の代わりになるのか……この術式からして……最悪だ……イワンコフかよ!」
魔法の術式は作る者によって形が大きく変わる、このハンドガンに刻まれているのは魔力が少ない雪山で何百年と生きてきた吸血鬼たちの術式だ
「ヴォルザなら再現できるかな……」
アイテムボックスに収納し俺は弓を片手に進んでいく、三階のおもちゃ売り場に数人の兵士がおり同じライフルだけでなく片手剣やショットガンを持っており兵器としての有用性は認められているようだ。
俺が帰ってきたのは一週間も立っていない、それなのに一日本の企業に私用の部隊と兵器の配備、そしてスキルオーブの販売___は憶測だが流通させるにはこの会社並みの設備がなければ不可能だ___も準備し実用に移るには早すぎる
「ランデブーポイントでレベル3のスキル持ちを捕えてるそうだ、なんでも顔が見えない高度な魔法がかかっていて顔が見えないらしい」
「っち、アルファチームに追加報酬が取られたか」
顔が見えない高度な魔法とは俺が愛理にかけた認識阻害魔法だ、マスクが外れた際の予備策として内密に付けていた
「……オートロック」
俺は弓に矢をつがえ弦を引く、強く引いて放つ矢は全ての兵士の頭を貫き通うねうねと床に血の後を描き壁に突き刺さった
愛理を探さねば___
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます