第7話 わたくしと公爵家の次男様

本日はアトリオ様は同席しておりません。


本日のお相手、公爵家の次男ランバート様はわたくしの従兄ですの。


幼い頃から実の兄妹ではありませんがお兄様と呼び親しくさせていただいており、今回のアイドルユニットへの参加も快く受けてくださると思いますの!




「と、いうわけでランバートお兄様!アイドルになって世間からキャーキャー言われてみませんこと!?」


「いいよ」


軽っ!軽いですわ!ランバートお兄様が軽い方だとは存じ上げておりましたが、正直この世界で馴染みのないアイドルなどというものに一言で許諾してよろしいのでしょうか!?


お渡ししたレポートと資料もさっと目を通しただけに見えますが、これでほぼ覚えていらっしゃるのでお兄様の怖いところなのですが。


「いいんですの!?本当にいいんですの!?人前で歌い躍りキャーキャー言われてもその裏には苦悩やらなんやらがあったりするんですわよ!?」


「別に人前で歌ったり踊ったりすることに抵抗はないし、キャーキャー言われるのはいつものことだしね。それにかわいいロゼッタの頼みだもの。断ったりしないよ」


と、言いながら軽くウィンクをするランバートお兄様はアイドルの素質がありますわ。


例えるなら、軽薄そうに見えて情熱的で真面目にアイドルに取り組むギャップ萌え狙いのポジションでしょうか?お兄様は軽そうに見えて昔から決めたことは真面目に出来るまでやり通す方でしたもの。


いい。実にいいですわ!


ですが、ここまで簡単に決まってしまうと人間というのは不安でむやみやたらと不安に襲われるというもの。


「ランバートお兄様。くどいようですが、本当によろしいんですね?」


「ああ、もちろんだよ。ロゼッタ。二人で国のために頑張ろうね」


手の甲に口付けられて、多分この方は天性のアイドルですわ…!これでまだ十歳なんて将来が恐ろしいと、アトリオ推しのわたくしはうっかりランバートお兄様推しになってしまいそうでした。


あくまでなってしまいそうだっただけで、わたくしの推しはアトリオ様ですが!








こうして、わたくしの思うアイドルユニットはすべてのメンバーが揃いました。


まあ、知り合いやら有名人を集めただけですけれど、皆様個性に飛んでらっしゃって誰を推しても推し甲斐があるメンバーになったと自負しております!


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