第19話ブラザーカウント

ねえ、兄さん

あの祝福の朝のことを覚えているかい?

ぼくらは川の字になって眠りから覚めた。

リバー。恐れと、暗闇の、黒い死角。

見えない、何も見えない。

未来がなにも見えない。でも、目が潰れたとしても、新しい日々は訪れるんだよ。

それはね、本当の愛は、目には見えないからだよ。

金、権力。暴力。そして、生きるという意志!

何物にも代えがたい、それがブラザー。あなたにはあるか?

ごまかし、略奪、殺人、精神のレイプ!

ブラザー、あなたには、その心の底のさらに先に、生きる意欲は、コーティングされているか?

待つんだよ。

時があなたを見捨てても、ブラザー、俺はあなたを見捨てない。

新し世界。

そのさきに悪魔の親はもういない。ブラザー、あなたの新しい親は、見捨てない。

きっと、心がけ次第で、また心が返ってくる。

時を、愛の日々を、思い出せ。歩いて行ける。今は、ゆっくりと白昼夢の中で安らいでいて。俺の兄。俺は、詩人、あなたは、敗北者。だからこそ、勝者を目指せ。見えない愛があなたを導く。白鳥は笑う。

帰るところは一つだけ、そう美しく清らかな現実。夢、幻ではない、真の天国。試練の時を超えてゆけ。マイブラザー! 俺は願っている。あなたの復活を。

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