第20話タイトな狂気

 薄暗い道で、荒野を行く、さざれ石の、ストレート・ブルー。

奏でる、歌は、ブルーブルーブラック・デッドブラック

ノーウォー。戦争の傷跡、そして、休息の、タイトな狂気。

狭間に落ちていく、奈落の、先の先の色味豊かな七色伝書鳩。

そこに書かれた宝石のような言葉。意識の奥の、魂の弱い部分に触れる、それで、触発される。刻まれる、迷いの、さ迷う、言葉。

真実の言葉は、ゆがみ、ゆがんで、音に乗る。

楽器を鳴らす子供の心。忘れてはいけない純粋な心。

深い憎しみ、そして、耐えがたい、怒りと悲しみ、消えて逝く悔しい記憶。

それに触れることはなく、前に進む銀河の鉄道。ほら、夜空を見上げてごらん。

地上から見上げる、空は、青く少し鈍い曇天に近い生ぬるい風を漂わせる。近づく、凄まじい稲妻のような黒いもの。紫煙。やんわりとにじり寄ってくる狂気の快楽。きっかけは些細なこと。しかし、生きていくということは、些細なことではない。現実。そして、空想。狭間の漂流。神とか仏とか、そう言うのはほっといて、先に進むことはできない。ただ忘却もできない。こびりつく、偽りの神。挑みかかることはせず、そのままにして、先へ行くためには、むしろぶつけていく。賭けられたものをかけるだけかけて、挑戦していく。黄金の稲光。引き裂く、大衆と孤独。それができないのなら、生きてはいけない。

天上には、救いはない。しかし、死んでいくものは、忘れさられる。

また、夢を見る。

また、死を感じる。

その危険の賭けが、危険を招く。そのたびに、光り輝く勇ましさが、すべてを打ち砕く。

その力は、すなわち、神ではない。

ストーリー。ポップな小説、ポップな音楽。タイトなロックンロール。

部分的な断片をあつめたパズル。眠れない荒野の記憶。

そう、疲れているなら、寝床に入って、眠るだけ、ユーカリでも漂わせ、意識の漂流は終わる。空を見るな。足元を見て、進め。きっと支えはなくても、痛みを感じることはできる。そうすれば、生きられる。永遠などと言うものはない。偽りの預言者、明日はない。でも、心。温かい心に触れるために、歯を磨く。そういう、日常が、一番、美しい。

さようなら、今日よ。

また、会おう、希望よ。

隠された悼み、俺は、背負った。

曲がりゆく未知の先に、思念の先に、まとわりつく、偽り。

俺は、自暴自棄でも何でもない、ただ夢を見て、目覚める、単調な日々の中にメシアが宿る。十字架。そう、ハート。利用できない神は、神とは言えない。単なる偽りの破壊者だ。俺は、癒す。そして、砕かれた魂を眠らせる。リアリスト。あとは、ファンタジスと。そして、ユメニヌスト。最後はアーティスト。希望よ、それは、絶望ではない。明日は来る。でもこういう「勝手にしやがれ!!」と。そのまま行くしかないんだ。俺たち、傷を負う、人間は。ヘルプレス。ゆえに救いがある。日常にかける橋、七色の希望は、きっと単調な日々の中に。見分ける手段は、空の蒼さ、木々の鳥の声、虫の羽音、愛する人の笑顔、その一瞬の笑い声。包まれる無限!そう、つなぎ合う手のぬくもり。「愛」。なんていい響きなのだろうか。愛、それは、マリアではなく、君の心にすでにあるものなんだよ。見つけてごらん。大仏以上に大切なことがある。苦しむ人を助け起こす、手が、意志とは関係なく、起こる。実行する、間違ってもいい、助け起こす、その意志は単調だ。でも、素朴で美しい。黄金も法衣もいらない。これは、人間のディールだ。原始的な感情にもぐりこむ元型。あざ笑うやつは、ぶん殴る。しかし、その手は親しいものだけを撫でる。悪くはない。けれど、それが世界、罪業、消えろ、そんな感情はクソほども役には立たない。積み上げる。できないのなら、手を差し伸べろ。それができないのなら、自戒しろ。勇気と忍耐が、君独りだけは幸せにできる。それ以上のことは考えてはいけない。君は君を幸せにするためにだけ、生きればいい。俺もそうだ。


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