第2話片時も離れないこの想い

月夜の晩に、瓦礫の上から、空を見上げた。

すると彗星が、一瞬、僕の瞳に映った。

疲れて、身を横たえる、目をつぶり、瞼の裏に浮かぶ、悲しげな恋人の瞳。

僕は、この戦場で、意味もなく傷ついた。

そして、眠りゆくその夜、そっと幕屋を出て、再び空を見上げた。

すると、そこには、恋人の優しい面影を宿した、あの日々があった。

それは、手をつなぐ、手を結び合う、恋人のHEARTサイン。

もう眠ろうか、夜の虫たちが泣いている。悲しげに、そしてひっそりと、湧き上がる泉の中で、幻灯の、女神が、僕に言う。

「傷ついた日々を、忘れないで」

「温かい心を取り戻して」

 そう、目をこする、滲む、流星。

 そして、淡い天使たちの会話。

 この瓦礫の山で、夜明けを迎える。

 そして、通り雨。

 一瞬に感じた、時間の、その後に、ひと時の虹がかかる。

 僕らは希望を忘れない。

 

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