応援コメント

第11話 英雄 ⅰ」への応援コメント

  • アテナ、とうとう独りになってしまったのか。
    淡々としている描写が、かえってリアルな悲惨さを感じさせます。

    作者からの返信

    コメント、ありがとうございます。

    この小説を書いたのは、マウリポリの製鉄工場で激戦が交わされているころでした。
    ウクライナ戦争の着地点を、私なりに考えました。
    いかに製鉄工場の地下の人々を救いだすか、ウクライナの領地を減らさずに、いかに戦争を終結させるか。……机上の空論とはいえ、それにはどうしても核兵器が邪魔でした。私の人間観察(情報がすごく偏っているのですが)では、いざとなればプーチンは核兵器を使うと思うのです。
    そうした戦争をいかに集結させるのか?……現実主義者と自称する人々に言わせれば、いくらかの国土をロシアに譲って妥協点を見出すしかないということですが、それはかつての帝国主義全盛の時代に戻るということです。
    ゼレンスキー大統領がクリミアも取り戻すと断言しているのは、強い意思なのか、あるいは駆引きなのか?……政治家=現実主義者ならば駆引きであり、妥協点が見いだせると思うのですが、彼が芯から西欧的な価値観を守る決意でいるのならば、戦争は永遠に終わらない。いや、いずれ、アメリカやEUが支援疲れで手を引くか、あるいはロシア経済が破綻するまでそれは続くでしょう。その時にはどちらかが勝利し、どちらかが敗れている。
    ネタバレになりますが、上記以外の可能性としてあるのは、戦争の決着前にロシア政府が崩壊するパターンです。かつて独裁者スターリンは地下の寝室で病死しましたが、暗殺の噂もありました。何分、いつも1人だったので証拠がない。
    私はプーチンとスターリンの姿が重なるのです。それで彼の生活を参考に、この物語を完結させました。
    それについては読者からいくつかの批判を受けましたが、それ以外の落としどころを想像することができなかった。
    というわけで、長くなりましたが、この小説はウクライナとロシアの人々が平和を手に入れてほしいという思いから書いたものです。
    もちろん、アテナという人物の存在は全くのフィクションです。
    最後までお読みいただけたら幸いです。