第10話「MR-Ⅱ起動」
ミッカは徹夜でロボットの修理をしていた。
明け方には眠ってしまっていた。
「ん……ん〜ん……あっ!いけない!寝ちゃった!!」
ミッカは目を覚ました。
ミッカは目を覚ますと顔を洗いに行った。
あくびをしながら船内を歩いていると……。
「おっ!ミッカ起きたか」
ジークが既に起きていた。
ジークは上半身裸で既に汗をかいていた。
「ジーク……何で裸?」
「ああ、朝からトレーニングしてて汗かいたからシャワーでもと思ってな。お前は?徹夜であのロボット修理してたのか?」
「うん……いつの間にか寝ちゃって……今から顔洗ってまた修理始める所……」
「そっか……あんま根詰めるなよ?」
「うん、ありがと。ちょっと待っててね。直ぐ顔洗って出てくるから」
そう言ってミッカは洗面所に入った。
顔を洗いスッキリしたミッカが出て来た。
「お待たせ」
「おう、んじゃちょっとシャワー浴びて来るわ」
入れ替わりにジークが洗面所に入る。
スペースドラゴン内の洗面所とシャワールームは直結している為、シャワールームに入る為には洗面所を通るしか無かった。
ミッカは部屋に戻りロボットの修理作業を再開した。
それからしばらくすると、アベルやクルドも起きて来てクルドが朝食を作り始めた。
「おーい、朝飯出来たぞー」
クルドの調理係も定着して来た。
アベルとシャワーから出たジークが集まって来た。
「あれ?ミッカは?」
「まだあのロボット直してんだろ……」
「呼びに行ってやるか」
アベルがミッカを呼びに行くと……。
「よし、大分いい感じじゃない?」
「おーいミッカ、飯だぞ?」
「あっ、ごめん。直ぐ行く」
4人が集まり朝食を食べながら話し合っている。
「んで、今日はどうすんだ?」
「とりあえず食料や水の確保が必要だな。この船も燃料チャージしといた方が良いんじゃないか?」
クルドが尋ねる。
「ああ、燃料のチャージはスペースポートに頼んでおく。とりあえず俺達は手分けして食料や水を買って来ようぜ」
「ごめん、私待ってていいかな?あのロボット早く直してあげたくて……」
「ああ、いいよ。こっちは俺達に任せろ」
「ありがとう!」
食事を終えるとそれぞれ動き出した。
アベルはスペースポートの係に燃料チャージを依頼。
ジークとクルドはそれぞれ手分けをして食料と水を調達しに行く。
ミッカはまたロボットの修理に取り掛かった。
その頃、昨夜から来ていたディザスター帝国のガルモ達も動き出していた。
この星の政府機関に乗り込んでいた。
「この星の技術力ならコイツを作れるはずだ……我々の申し出を受けて貰えれば我々もこの星に侵略行為はしないと約束しよう」
ガルモに対応するのは惑星ボノア科学技術局長官のスクイド長官。
「し……しかし……これ程の超兵器……」
「はぁ……スクイド長官……我々も別に脅しに来てるつもりは無いが、我々の星にも敵対する組織が存在する……自国の防衛の為に必要な力なんだ……」
「それは嘘だ……こんな兵器を作らせて……他の星に侵略するつもりだろ!私はそんな事に協力は出来ない」
「スクイド長官……あなたは何か勘違いをしている様だ……我々はあなた方に超兵器の製造を依頼している訳じゃない……命令しているんだ」
ガルモはスクイド長官を睨み付ける。
「ひぃぃぃっ!?」
「おい!ガルモ総督が本気で怒る前に超兵器の製造の契約書にサインしな。さもないとこの星そのものが消える事になるぞ」
「……わ、分かった……」
スクイド長官はガルモに脅され超兵器製造の協力をする事を約束してしまった。
ジークが買い物を終えスペースポートに戻っていると……。
用件を終えスペースポートに向かうガルモ達に遭遇。
「ん?あれは……ディザスター帝国の奴らか……」
気になったジークはガルモ達の後を付ける。
「ガルモ総督、やりましたね。これであの超兵器が出来れば我々に歯向かう奴らも居なくなるでしょうね」
「ああ……ディザスター帝国が全宇宙を支配する日も近いだろうな……」
超兵器?奴ら何を企んでやがる……。
ジークはガルモ達の動向が気になり更に後を付ける。
「おい、何やってんだよジーク」
アベルが声を掛けた。
「うわっ!?馬鹿!?」
「誰だ!!」
ガルモ達に気付かれてしまった。
「チッ、話を聞かれたか……まぁ、良い。消せばいいだけの事……」
ガルモがジークとアベルに近付く。
「コイツらディザスター帝国か……」
「ああ、奴ら超兵器がどうとか言ってた……またろくな事考えて無いぜ……」
「へぇ〜なら潰しておいた方がいいな」
アベルも構える。
「フンッ……殺れ!」
ガルモの命令で部下達が機関銃を構える。
ジークも『黒竜』を抜き構える。
ガルモの部下達が一斉に撃って来た。
ジークとアベルは持ち前の反射神経で銃撃をかわす。
「何っ!?」
『獣王拳奥義·獅子の鬣』
アベルの大技が炸裂。
ガルモの部下を倒して行く。
「なっ!?……そ、そうか……コイツら報告にあった反逆者共か……」
「ったく、一人で片付けやがって……出番無しかよ」
ジークは不服そうに言う。
「後はお前だけだぜ……どうする?」
「くっ……ならば我が鉄人兵団の力を見せてやる!」
「鉄人兵団?」
ガルモは左腕の腕時計形の機械を操作すると、ガルモ達の戦艦から巨大なロボットが出撃。
直ぐにアベル達の前に真っ黒な巨大なロボットが現れた。
「何だこりゃ!?」
ガルモはそのロボットに乗り込むと早速操縦。
アベル達を踏み潰そうと襲い掛かる。
「くっ……上等だ!!」
アベルは構える。
「馬鹿!流石に相手が悪い!!行くぞ!!」
ジークはアベルを引っ張って逃げる。
ガルモのロボットはアベル達を追い掛け回し、ボノアの街を蹂躙する。
「クソッ……アイツ所構わずだな……」
「ハッハッハッハッ!見たか?これがディザスター帝国の誇る巨大戦闘メカ、ディザゴーレムだ!!」
ディザゴーレムが暴れる事で街は次々に破壊されて行く。
「クソッ……これじゃあ手も足も出ねぇ……」
「せめてスペースドラゴン号に戻れりゃあな……」
そして、ディザゴーレムが暴れる事で街にも大きな被害が出る。
街の人々は大パニックとなり逃げ惑う。
街が破壊されていく様子を見ていたスクイド長官は……。
「こんな奴らに……兵器の提供をしたらそれこそ宇宙が終わる……私は奴らの脅しに屈指とんでもない誤ちを犯してしまった……」
スクイド長官はディザスターの脅しに屈した事を後悔していた。
この騒ぎには流石にクルドも気付きディザゴーレムが暴れる方へ向かっていた。
「やれやれ……また厄介な事になってるな……」
ジークとアベルは何とかディザゴーレムの攻撃をかわすが街の被害は大きくなる一方だった。
「クソッ……やべぇな……」
ジークとアベルは窮地に立たされる。
だが、その瞬間!
何かがディザゴーレムを攻撃。
ディザゴーレムの装甲にダメージがあり、衝撃が走る。
「うわっ!?何だ!?」
ガルモも驚く。
アベルとジークが攻撃が来た方を見上げるとスペースドラゴン号がやって来た。
「アレは!ミッカか!」
「まったく……あの二人また巻き込まれてたのね……まぁいいわ。行くわよマルツー!」
《了解しました》
ミッカがマルツーと呼ぶのはあのミッカが修理していたロボット。
スペースドラゴン号に装備されている最大の武器『ハイパーブラスターキャノン』が発射され、ディザゴーレムを大破させた。
「うわぁぁぁぁっ!?」
ディザゴーレムの爆発の寸前にガルモは脱出した。
「すげぇ!」
「スペースドラゴン号にあんな武器が……」
何とか脱出したガルモだったが、アベルに見つかった。
「あっ!テメェ……覚悟しろよ!!」
ガルモはアベルに殴り飛ばされ気絶。
クルドも合流。
「やれやれ……今回も派手にやったな……」
「あっ!クルド。何だ見てたのか」
「そりゃあ、あれだけの騒ぎだとな……」
スペースドラゴン号はスペースポートに戻りアベル達とミッカが合流。
「ミッカ!すげぇな!助かったぜ!」
「へへっ、お礼はこの子に言ってよね」
ミッカの後ろから修理されたロボットMR-Ⅱが出て来た。
「あっ!このロボット直ったのか!」
《初めまして!私はMR-Ⅱです。マルツーと呼んで下さい》
「へぇ〜頼もしい仲間が増えたな。宜しくなマルツー」
アベルはロボットマルツーを仲間に迎えた。
「それにしてもスペースドラゴン号にあんな武器があったとはな……」
「ジークも知らなかったの?マルツーが見つけてくれたのよ」
「どうゆう事?」
「マルツーは色んな機械に接続して操作する事が出来るみたいなの!だからスペースドラゴン号の操縦も出来るしスペースドラゴン号から攻撃も出来る。ディザスター帝国と戦うにも頼もしい味方よ」
「へぇ〜!お前すげぇな!」
《恐縮です》
「よし、じゃあ準備も済んだしいよいよ外宇宙へ出るか!」
「ええ!」
「おっし!」
「増々賑やかになりそうだな……」
新たにマルツーが仲間に加わりアベル達はいよいよ外宇宙へ旅立つ。
続く……。
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