第5話「マコー始動、ジーク抹殺計画」
病院にゲルドー率いる暗黒騎士団が奇襲を仕掛ける。
病院内はパニックに陥り大騒ぎに。
「何っ!?」
「くっ……奴らだ……」
ジークがベッドから降りる。
「あっ!ダメよ。まだ傷が塞がって無いのに……」
「いや……大丈夫だ。奴らとは俺が決着を着ける」
ジークは側に置いてあった自分の剣を手に取る。
「ここは俺が何とかする。ミッカ、ジークを連れて逃げろ」
「え?でも……」
「早く行け!」
「何言ってんだ、俺も戦う」
「ダメよ!」
そして、ジークの部屋にゲルドーが入って来る。
「やっと見つけたぞ……やっぱりお前ら一緒に居たか」
暗黒騎士団が剣を構える。
「奴らの剣は銃にもなる、気を付けろ!」
「ああ、分かってる」
「殺れ!!」
暗黒騎士団がアベルとジークに襲い掛かる。
『獣王拳·獅子の鬣(たてがみ)』
アベルの技が炸裂。
素早いパンチを連続で繰り出し多くの敵に一斉に攻撃する大技だ。
この技で次々に暗黒騎士達を倒して行くアベル。
「今の内よ」
ミッカの促され窓から外に脱出するジーク。
「おい、アイツは?」
「大丈夫。アベルは強いから」
暗黒騎士団の兵士達を全て倒したアベル。
だが、ゲルドーの姿は無かった。
「くっ……あの団長野郎が居ねぇ……」
アベルはゲルドーを追う。
その頃、ジークとミッカは……。
「はぁ……はぁ……」
まだ傷が痛むジークは走るのも辛そうだった。
「大丈夫?」
「あ、ああ……」
背後から二人は狙撃させる。
「ぐっ……」
振り向くとそこにはゲルドーが攻撃していた。
「追い付かれた……」
「フフフッ……ジーク……そろそろ死んで貰うよ?」
「ちょっとあんた!剣士のクセに銃使うなんて卑怯よ!」
「何言ってんだ?我々は相手を殺せば良いんだよ……」
ゲルドーは不気味に微笑みながら言った。
「あんた……最低ね……戦士としての誇りは無いの?」
ミッカが問い詰める。
「無いね!我々は殺す事で全てを得られる。ディザスターではそう教え込まれているんでね……」
「辞めとけ、こんな奴に何を言っても無駄だ……こうゆうクソ外道野郎にはな……」
ジークはミッカを制止して前に出る。
ジークはゆっくりと愛刀『黒竜』を抜いた。
「フフッ……向かって来る気になったか……だが、貴様では私に勝てないよ……暗黒騎士団団長の剣士としての腕を見縊るなよ?」
「ほぉ……お前みたいな外道にも剣士としてのプライドは残ってた様だな……おい、お前は下がってろ」
「え……?う、うん……」
ジークはミッカを安全な場所まで下がらせた。
「お前は深手に傷を負ってる……その事を忘れたか?」
「フンッ……ああ、忘れたね……」
ジークがゲルドーに斬り掛かる。
ゲルドーはジークの攻撃を受け止める。
「フンッ!その程度で……勝てると思うな!!」
ゲルドーはジークの脇腹の傷口に蹴りを入れる。
「ぐはっ!?」
ジークに激痛が走り怯む。
「そんな!卑怯よ!!」
「だから言っただろ?殺せば何でも良いんだよ!!」
ゲルドーは更にジークの腹に蹴りを入れる。
「ぐっ……はっ!?」
ジークは口から血を吹き出す。
「オラァ!!」
ゲルドーは更にジークに畳み掛ける。
脇腹の傷口を執拗に攻撃する。
「酷い……傷口を狙うなんて……」
「ぐっ……テメェ……」
ジークは吐血が止まらない。
傷口の脇腹からも口からも大量の血を流すジーク。
「さっきお前は剣士のプライドがどうとか言ってたな?んなもんねぇよ!!何故なら俺は剣士じゃねぇ……殺し屋だからな!!……だから俺は剣以外の武器も使うぜ……ターゲットを殺す為なら手段は選ばない……」
ゲルドーは剣を銃のモードに変形させた。
「この武器はなぁ、そんな俺達殺し屋の為に作られた都合の良い武器でなぁ……必要に応じて様々な武器に変形させる事が出来るんだよ……名付けて万能武器キラーハンド……」
「んなもん……ぶっ壊しゃあ一緒だろ!!」
アベルが追い付いた。
『獣王拳·獅子の牙』
アベルの強烈なパンチでキラーハンドを叩き壊した。
「え〜!?ウソッ!?」
まさか武器を破壊されるとはゲルドーも思ってなく、これには焦りを見せた。
「アベル!」
「よう、大丈夫か?」
「お前……ったく、遅せぇよ……」
「文句言うな。間に合ったんだから良いだろ?」
「貴様ら……許さん……絶対に許さんからな!!」
「ああ……それはこっちもだ」
アベルはゲルドーを睨み付ける。
ジークは立ち上がる。
「コイツとの決着は……俺に着けさせろ……」
「ちょっと、無茶よ、そんな体で……」
ミッカは止めるが……。
「そうか……なら任せる」
アベルは下がる。
「ちょっと、何で!?アベルが戦った方が……」
「これはプライドの問題だ……やられっぱなしは趣味じゃねぇ……」
ジークはゲルドーに剣を向ける。
これ以上戦いを長引かせるのは無理だ……。
一撃で決める。
ジークは構える。
『銀河聖剣流奥義·隼(はやぶさ)』
ジークの必殺技が炸裂。
その素早き一太刀でゲルドーを斬り裂いた。
「ぐはっ!?」
ゲルドーは血を吐き倒れる。
「くっ……流石に……限界だ……」
ジークもその場で倒れる。
「ジーク!?」
アベルとミッカがジークに駆け寄る。
「まったく……無茶し過ぎよ……」
「まっ、これで片付いたんだ。病院に連れてってやろうぜ」
「そうは行かんな……」
アベルとミッカが振り向くとそこには見知らぬ中年の男が居た。
「誰だ?」
「私は惑星ビドルクの大臣マコー。やれやれ……そろそろ死んでる頃かと思って来て見れば。ゲルドーの奴、負けてるじゃないか……」
「ビドルクのマコーって……ディザスター帝国と手を組んで国を乗っ取ろうとした悪徳大臣ね!」
「その上ジークの命まで狙った極悪野郎だ……」
「フンッ……何と言われようが貴様らには関係ない。だが、ディザスター帝国に歯向かうなら私もお前達を敵とみなさなければな。これから先、お前達には私の差し向ける刺客が立ちはだかる事になるぞ……覚悟しておけ」
「へっ、上等だ。ディザスター帝国をぶっ潰すにはどの道お前とも戦わないといけねぇんだろ?だったら相手になってやるぜ!!」
「良い度胸だ。特別に今日の所は見逃してやる。だが、次に会った時は貴様らの最後だ。そうそう、そこの役立たずの雑魚は処分しないとな……やれ」
「はっ!」
マコーの部下がゲルドーを連れて行く。
「おい、何する気だ?」
「コイツは負けた。それは弱いからだ……弱い奴は要らない……」
マコーとその部下達はゲルドーを連れて姿を消した。
「くっ……あんな奴に……俺は負けねー!!」
それから3日後……。
ジークは出発の準備をする。
「ねぇ、傷はもう良いの?」
「ああ、治った」
「治るかー!!」
「なぁ、所でお前、これからどうするんだ?」
「俺は今まで通り武者修行の旅をするだけさ」
「なぁ、俺達と一緒に来ないか?ディザスター帝国と戦う為にはお前の力が必要だ」
「ディザスター帝国か……確かにぶっ潰してぇよな……よし分かった!これも武者修行になりそうだしな。お前らと一緒に行ってやるよ」
「そう来なくっちゃ!」
ジークはゾアークの懸賞金が入り再び宇宙船を買いに行く。
「へぇ〜大きくて良い船ねぇ」
「だろ?まっ、お前らと一緒に旅するにはこの位のデカさじゃねぇとな」
「では、改めてご契約を」
「おう、この船貰うぜ!」
ジークはゾアークの懸賞金で宇宙船を買った。
「そうだ。エリアセブンに停めてある私達の宇宙船を積まなきゃ」
「そうだな。運んで貰えるか?」
「はい、こちらに宇宙船をお持ちすれば宜しいんですね?」
「ああ、頼む」
この大型宇宙船"スペースドラゴン号"にアベルとミッカの宇宙船を乗せいよいよ発進。
アベル達は外宇宙を目指して新たに旅に出る。
「よーし、行くぜー!!」
スペースドラゴン号が発進。
惑星ブランダを旅立つ。
続く……。
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