遥サイド

第19話

目が覚めて、起きようとしたら腰が痛んだ。

持病の腰痛…くそー。起きるのはやめた。


「遥、大丈夫?やりすぎたかな…」


寝てるかと思ったら隣にいる秋人は目を開けてた。


「大丈夫、持病だから」


「ごめん…」


無理しなければ腰は痛くならない。ボクシングの試合で、強く打ってからこんな感じ。別に無理したつもりないのに、嫌だな。


「…秋人さぁ、女慣れしてるよね」


「へ?」


「私以下としてたんでしょ」


「大丈夫、最後まではやってないから」


「は?」


「遥は特別だよ?」


なんかよくわかんなかったけど、特別とか簡単に言って!秋人ってほんとどうかしてる!恥ずかしくなって耳まで赤くなるのを感じた。


「あ、あんた仕事は?」


「まだ大丈夫。それより…」


秋人はむくりと起きた。


「な、なんで布団めくるのよ!」


「えー、見たいじゃん。余裕なかったもん!」


「嘘。見てたくせに。やだ、そんな見ないでよ」


「見たいー」


「やめてってば!」


「遥…かわいい。さて、僕は準備しようかな」


さっさと布団から出て行った。

やだやだ!秋人が偉そう!

それから、私は寝ていて…目が覚めると秋人はいない。

机の上には置き手紙。朝ご飯食べてねって…


あ!私着替えてもいない!

自分のうち帰らないと。仕事だし…

その前に朝ご飯食べよ…


その後急いで家に帰って出勤した。

まったく慌ただしくて疲れる。


「遥さん、なんか首に…」


後輩がじっと私を見てる。


「え?なに?虫刺され?」


「あーそうかも」


よし!ジャージを脱いで、いざ掃除!


「あ、遥さんちょっと!」


「なに?」


「せ、背中に…」


「え?見えない」


「き、キスマーク」


「は…?なにそれ?」


「ええっと、鏡見ましょ?ほら」


その辺の大きい鏡を見る。…と


「な、なにこれ」


「彼氏にされたんですか?」


「…!なに言って!」


「あの子犬彼氏ですか?」


「べ、別になにも…」


「きゃー遥さんったら!今日はジャージ脱がないほうがいいですよ!」


えー。熱いのに。困る。

仕事終わって秋人の家に行く。

帰ってきてないからベットの上でだらだらしていると、


「わー!遥がいる!」


元気よく秋人が帰ってきた。スーツのくせにいきなり抱きつかれた。


「え、ちょ!いきなり抱きつかないでよ!」


「いい匂い」


「やめてよ。秋人あんた、私の背中になんかした?」


「ん?あ、あー」


はぐらかそうとしてる?


「どうやったらあんなのつくわけ?」


「…ごめん…遥が好きすぎて…」


「やめてよね」


「ごめん」


「そんなシュンとしないでよ」


「遥、僕は…遥の腰が痛くなければ…また今日もしたい…」


「…あんたって変態?」


「…そう」


「な、なにそれ。私、恥ずかしいから…」


「遥、だめ?」


「う、そんな顔してもだめ!」


「じゃあちょっとだけ触らせて?」


「ちょっと、なんで胸触るのよ」


「だって〜男なら触りたくなる」


勝手にジャージ脱がすし!ムカつく!


「秋人!あんたそうやって女の子の触ってたんでしょ。最低!」


「触ってという子には。別になんの意味もないよ?」


「うわー。やだやだ」


「遥怒らないでよ〜ふふ」


「や、どこ触って!」


おかしくなるでしょ?もう!


「あ、電話。はい、細川」


うそ、いきなり真面目。

なんなのよ!普通に電話出るし。


「よろしくお願いします。…ごめん、長くなった」


「忙しそう」


「そんなことないよ?遥、続きしよー」


また抱きついてきた。


「ちょっと!もー秋人っ!」


勝手に寝かさないでよ!


「遥、かわいすぎるからいけないんだよー」


「もー!脱がさないでよ!」


「腰痛は?」


「大丈夫だし…ちょっと秋人!なんで私ばっかり脱がされてんのよ!」


「あ、えへへ。じゃ、僕を脱がす?」


くっ!なによその顔!ムカつく!

秋人を無理やり寝かせて私は起きる。


「私はがさつよ!適当に脱がしてやる!」


「わぁ、ハレンチー」


「なにそれ」


「僕は筋肉ぜーんぜんないよー」


「わかってるし!…え、秋人ってこんな」


「あ、え?なに?」


「ね、ねぇ。こんなサイズなの?」


「え、そ、それは…うーん、そ、そうだなぁ…よ、よくデカいとは言われる…チビのくせにって」


「え、身長関係ある?」


「う、ううん?わからない」


「てか男の子の見たことあるけど…秋人の大きいよね?」


「遥ってば!恥ずかしいこと言わないでよー!早くしようよ!すぐやろう!」


「な、なに焦ってんの?」

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