第18話

僕はますます忙しくなり、海外まで行かないといけなくて、遥と会えない日々が続いた。


「兄さん元気ない」


弟勇人は海外のほうが元気があるような気がする。まぁ、16から行ってるしね。


「だって、彼女と会ってないから…」


「彼女いるの?え?兄さんずるいよ」


「会えないと意味ないし」


帰国後も、遥に会えたけど仕事があるから全然時間が足りない。さらに忙しくなってますます会えなくなった。

が、予想打に遥は僕と会いたがっていた。うっかり鍵を渡したら受け取ったし、家に帰ったら寝てるし…?襲えって?そうなんですか?この下はジムで着てるアレですよね…や、遥にはちゃんと話してから…襲うぞ。


カレーを作って気を紛らわせたあと、遥を揺り起こしご飯を食べさせて、初任給で買った指輪を渡す。結婚の約束も遥からオッケーもらえたってことは?いーんでしょ?ね?


しかし、ここで問題発生。

遥はなぜベットに連れて来られたかさえ理解できていない。うそ、うそ!

嬉しすぎて死にそう。いや、何回か意識なかったな。キスしても逃げないし、殴られない。ましてや、嫌がってないよ?

説明するのさえ億劫になるほど、僕は夢中だった。

僕より7つも歳上なのに、なにも知らないって…僕のこと待ってくれてたの?

そして、何気に秋人と呼んでる。ドキドキして、疲れなんかどこかへ。


ボクシングしてるから、男らしいと思われがちだけど、すごく女の子らしい。僕は…遥と一緒にずっといたいと強く思った。


この調子で結婚までこぎつけたのであーる。

僕って策略家。遥はときに僕をはらはらさせて面白がったり、子供っぽい一面もある。遥のかわいさは僕しか知らないんだ。



「え、彼女?」


11月、勇人からの久しぶりの電話は珍しい話題だ。


「う、うん、そ、そのまだ付き合い始めたばかりで」


あの奥手の勇人が。


「どんな子?」


「スポンサーやってる会社のポスターのモデルさん、なんだ」


「へぇ、かわいいんじゃない?」


「うん。か、かわいいし、優しくて、人懐っこいというか…」


「年下?」


「同い年。なんか、ちょっと話してたら話しが合う気がして…20になったら結婚したいって話したら、付き合ってくれた」


「え。金持ち狙いかもよ」


「ううん。僕は女の子と付き合ったことないって説明して…君と、その付き合ってみたいってちゃんと話して…」


お前は中学生なのか?


「兄さんは?彼女とはどうなの?」


「婚約したよ」


「早い。さすが兄さん」


「一緒に住んでる」


「に、兄さん…すごい。それで、えっと…」


「まぁ、手を出すよね」


「わ、わぁ。兄さん、そ、そんなことも早いの!?」


「頑張れよ」


「と、とりあえず、手を繋げないと、だよね…」


うーん、なかなか道のり長いぞ。

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