第7話 いろはす
私のいるオフィスは喧騒の中にある。
取引先に電話する声やPCのキーを叩く音、
先輩が後輩に仕事の説明をする声、
ただのおしゃべり、
それらが喧騒を作っている。
私は事務仕事が終わり、ペットボトルのいろはすを飲んでいた。
それを飲み終わり、このペットボトルをどうしようかと思った。
この喧騒の中なら、つぶしても音はまぎれてしまうだろう。
私はいろはすをつぶした。
バリバリ、バリバリ。
その音は私の想像したよりも、はるかに大きく、オフィスの喧騒の上をいった。
オフィス中の人が音のする方を見た。
私は取り返しのつかないことをしてしまいました。
前の席にいた後輩の南川くんが、
飛び上がるように驚いて、こっちを向いた。
「びっくりしたー。みさき先輩、いろはすを不意打ちでつぶすの、やめてもらっていいですか?」
はい、もう2度としません。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます